2020年01月20日

【目からウロコが落ちる奇跡の経済教室  基礎知識編】中野 剛志 読書日記1113



《目次》
第1部 経済の基礎知識をマスターしよう
 第1章 日本経済が成長しなくなった単純な理由
 第2章 デフレの中心で、インフレ対策を叫ぶ
 第3章 経済政策をビジネス・センスで語るな
 第4章 仮想通貨とは、何なのか
 第5章 お金について正しく理解する
 第6章 金融と財政をめぐる勘違い
 第7章 税金は、何のためにある?
 第8章 日本の財政委破綻シナリオ
 第9章 日本の財政再建シナリオ
第2部 経済学者たちはなぜ間違うのか?
 第10章 オオカミ少年を自称する経済学者
 第11章 自分の理論を自分で否定した経済学者
 第12章 変節を繰り返す経済学者
 第13章 間違いを直せない経済学者
 第14章 よく分からない理由で、消費増税を叫ぶ経済学者
 第15章 主流派経済学は、宗教である

「目からウロコが落ちる」という使い古された表現がされているが、まさにその通りのちょっと変わった経済書である。何が目からウロコなのかと言えば、現在低迷する日本経済に対する処方箋においてである。まず、現在の日本経済は、「デフレ」に苦しんでいる。アベノミクスがそこからの脱却を目指している通りである。そしてこのデフレとは、「需要不足/供給過剰」の状況を指す。日本が成長しなくなった最大の原因がこのデフレだとする。

 デフレで不況下にあると、個人も企業も消費や投資を控えて貯蓄に励む。これ自体、正しい行動ではあるが、この結果が国家に及ぼす影響は経済の停滞となる。「合成の誤謬」と呼ばれる現象で、ミクロの視点では正しくてもマクロの世界では反対の結果をもたらしてしまう。これを正すのは政府の役割であり、デフレ対策として必要なのは、「財政拡大」、「大きな政府」、「減税」であるとする。つまり、これまで政府がやってきていることはデフレ対策ではない。

 「金融緩和」、「生産性の向上」は「供給過剰」を招いてしまうとする。平成不況の原因は、構造改革を始めとして本来インフレ対策であることをやってきたからだとする。無駄な公共投資すら必要なのだと著者は主張する。にわかには信じがたいことである。GDPの240%を超える国家債務を前にして「減税」を説くなんて、と思わなくもない。どうやって返すのだと思うが、著者は永久に借り換えればいいと断じる。

 国家は通貨発行権を持っているから債務など関係ないのだという主張は、無謀に思えてならない。ただ、貨幣とは負債であり、政府の赤字は民間の貯蓄を増やすと著者は明確に主張する。多額の債務も、アルゼンチンなどは外貨建て債務であったから破綻したのであって、国内であれば、通貨を発行すればいいのだとする。そんなことをすれば通貨が溢れてハイパーインフレになりそうなものだというが、それでこそインフレになるのであり、その手前でやめればいいのだとする。なるほど、それも一理である。

 税金とは物価調整の手段であって財源確保の手段ではないと税金の性格を論じる。「国内民間部門の収支+国内政府部門の収支+海外部門の収支=0」というマクロ経済の構造があり、国内政府部門が黒字になればその他の部門が黒字になる。となれば政府部門は赤字で良いという説明も目からウロコである。自由貿易も経済成長を阻害するもので、アメリカを見ても保護主義を続けた結果、経済成長を実現したと論じる。

 従来、常識とされていた理論を信じていると、「本当か」と思うが、著者の説明を読む限り否定するのは(少なくとも素人には)難しい。現実を見ればその通りと言えなくもない。「生産性の向上は不要」なんて聞いたら、デービッド・アトキンソンさんはなんて言うだろうかと思ってもみる。素人の立場で著者の意見を否定することはできない。であれば1つの意見として頭にとどめておきたい。いろいろな意見を聞き、その中から自分なりの意見を形成させていきたいと思う。

 「経済教室」と言う謳い文句に偽りはない。続編もあるようだから、合わせて読んでみたいと思う一冊である・・・






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2019年06月06日

【一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学】cis 読書日記1037



《目次》
第1章 本能に克てねば投資に勝てない
第2章 相場は仮説を生み出した人が勝つ
第3章 勝つための一歩は場と自分を冷静に見ること
第4章 職業・トレード職人
第5章 投資に必要なスキルはゲームで磨いた
第6章 億万長者になれたのは2ちゃんねるのおかげ
第7章 これから株を始めるなら
付記 ギャンブルを制すものは株を制す

 著者は株のデイトレーダー。2000年に21歳で300万円の自己資金で本格的に株式投資を始め、今や資産は230億円だと言う。凡人には想像もできないレベルである。そんな個人トレーダーが相場や投資に関して語る一冊。その内容には一般のビジネスにも通じるものがあったりする。

 理解することと実行することの間には大きな距離があるとする。これはよくわかる。頭では理解していても、リスク等を考えると手が出なかったり、面倒だと思ったりするものである。230億もの資産を築いたトレーダーでも思い通りに勝てない日は続き、うっかり大損することもあると言う。そんな日々変わる状況でも「だから相場は面白い」と語る。「好きこそ物の上手なれ」なのであろう。

 株式投資をやっている身からすると、やはり専門的な話は一層参考になる。
1. 上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる
2. マーケットの潮目に逆らわずに買う。そして潮目の変わり目をいち早くキャッチする
3. 勝手な予想はしないで上がっているうちは持っておくのが基本
4. 押し目買いをやってはいけない。目先の利確に走れば大勝はなくなる
5. 重要なのは勝率ではなく、トータルの損益
6. ナンピンは最悪のテクニック。株でいちばん大切なのは迅速な損切り

 いろいろなところで言われていたりすることもあるが、改めて強調されるとそうなのだろうとよくわかる。著者自身、利益になっている取引は全体の3割程度だと言う。「失敗は当然としていかに最小にとどめるか」と言う言葉は大切だろう。そんな世界にいるから「年3%以上の利回りを保証するものは、巧妙にリスクが見えにくくなっているスキームか詐欺のどちらか」だと言うが、そういう感覚は自分もよくわかる。

 さらに印象深い言葉が続く。
1. 過去の事例を知っておくと勝てるロジックをすぐ思いつく
2. メディアはかなりいい加減
3. 相場とはリターンを求めてリスクを取る行為。リスクは絶対にある。
4. 適正な価格なんて本質的には存在しない
5. 自分を客観的に見られない人は勝てない
 
 いろいろと語っているが、根本的にはいくつかのシンプルなルールに集約されていく。一体著者はどんな人物なのか気になるが、やはり子供の頃からゲーム好きで、親がテレビゲームをやらせてくれないような家に育っていたら自分は投資家になっていなかったと言う。人間、何が幸いするかわからない。中三でパチンコを始め、高校生で元締めだったと言う。決して褒められた子供ではないが、そういう子こそ世に憚るものなのかもしれない。
 
 「無限に努力していればたいていの人には勝てるようになる」とする。西野亮廣も同じようなことを語っていたが、これは素直に好感が持てる。230億円は伊達ではない。資本主義は人類史上最高のゲームかもしれないと語る著者は、ポーカーも麻雀もよくやるようである(麻雀には場代や飲食代などで年間1億円くらい使うらしい)。どんな分野であれ、努力して名を馳せた人物には学ぶべき点が多い。

 自分ももう少し投資の分野で頑張ってみたいと思わせてくれる一冊である・・・




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2019年05月22日

【父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。】ヤニス・バルファキス 読書日記1030



原題:Talking to My Daughter about the Economy
プロローグ 経済学の解説書とは正反対の経済の本
第1章 なぜ、こんなに「格差」があるのか?――答えは1万年以上前にさかのぼる
第2章 市場社会の誕生――いくらで売れるか、それがすべて
第3章 「利益」と「借金」のウエディングマーチ――すべての富が借金から生まれる世界
第4章 「金融」の黒魔術――こうしてお金は生まれては消える
第5章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界――悪魔が潜むふたつの市場
第6章 恐るべき「機械」の呪い――自動化するほど苦しくなる矛盾
第7章 誰にも管理されない「新しいお金」――収容所のタバコとビットコインのファンタジー
第8章 人は地球の「ウイルス」か?――宿主を破壊する市場のシステム
エピローグ 進む方向を見つける「思考実験」

 著者は元ギリシャの財務大臣。かつてEUから財政緊縮策を迫られる中、大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題となった人物。当時のことは財務大臣のことまでは覚えていないが、興味深い経歴である。そんな著者が、タイトルにある通り「娘に語る」という前提で、専門用語などを使わずに経済=資本主義を解き明かそうと試みた一冊である。

 初めになぜ世の中にはこんなに格差があるのかという問いがなされる。そしてなぜイギリスがオーストラリアを侵略し、アボリジニがイギリスを侵略しなかったのかが語られる。実に興味深い展開である。その理由を著者は「農耕」に求める。農耕によって経済が生まれたとするのである。自然の恵みが豊かだったオーストラリアでは畑を耕したりする必要がなく「農耕」が発達することはなかった。

 実はこの農耕によって農産物が生産され、やがて余剰が生じ、余剰を記録するために文字が発明され、余剰の配分が支配層を生むことに繋がる。「信用」が創造され、「債務」と「通貨」と「国家」とが生まれる。それらによる「経済」から軍隊が生まれる。「なぜ、アフリカから強国が出てこなかったのか? 」それも東西に広いヨーロッパの特性と南北に広がるアフリカを対比させる。東西に広い方が交流が盛んとなり、巨大帝国が生まれる土壌となる。

 生産の三要素は、「生産手段」「土地」「労働者」であるが、人類至上稀に見る「残酷な改革」と著者が呼ぶ「囲い込み」が行われ、土地所有者は農民を追い出し羊を飼う。追い出された農奴が「労働力」となって産業革命を支える。その産業革命の原動力は、実は石炭ではなく「借金」。「借金」と利益が結びついていく。話の中では、「狩人のジレンマ」という話が面白かった。「全員で(1人では狙えない)鹿を狙うか、1人でうさぎを狙うか?」というもの。経済の仕組みは実にシンプルだと思う。
 
 「経済は社会のエンジン。借金がその燃料。労働力はエンジンに点火する火花で、お金はエンジンの潤滑油」というたとえもわかりやすいし面白い。自動化するほど苦しくなる矛盾を「機械の呪い」とする。自ら生み出した機械に殺される「フランケンシュタイン症候群」。自動化を支えるのは利益であるが、自動化でコストは下がるものの、過酷な競争で価格は上がらない。さらに機械化の主役となるロボットは製品を買わない(から売上は伸びない)。この3つの力が価格をコスト以下にする。やがて機械を買うより人を雇う方が安上がりとなる。
 
 収容所のタバコ経済の話は「通貨」というものをよく説明してくれる。喫煙者にとって欠かせず、手軽で便利であり、価格比較でき保存ができる。紙幣でなくても通貨になりうるのである。利益を追い求める多国籍企業は地球から搾取し続ける。それを川に棲むマスを獲ることにたとえる。なるほど確かにこれならお堅い経済の話も娘に語って聞かせられる。誰でも知ってそうでいて実は知らなかったりするかもしれないと読みながら思う。

 邦題はやや大げさすぎるきらいはあるが、確かにわかりやすく、そして何より面白い「経済書」であると言える一冊である・・・



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2019年03月22日

【お金の流れで読む日本と世界の未来−世界的投資家は予見する−】ジム・ロジャーズ 読書日記1009



序章 風はアジアから吹いている――ただし、その風には「強弱」がある
第1章 大いなる可能性を秘めた日本
第2章 朝鮮半島はこれから「世界で最も刺激的な場所」になる
第3章 中国――世界の覇権国に最も近い国
第4章 アジアを取り囲む大国たち――アメリカ・ロシア・インド
第5章 大変化の波に乗り遅れるな
第6章 未来のお金と経済の形

 著者は、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並んで世界三大投資家と称される人物。これまでもリーマンショック、トランプ当選、北朝鮮開国を次々と予言して的中させてきたとかで、そんな大投資家が日本と東アジア経済の未来をどう見るのかについてインタヴューに答えた一冊。「5年後アジアで一番幸せな国はどこか」をテーマに語っている。

 投資家らしく、「成功したければ将来を予測しなければならない」と言う。そんなご本人は、現在家族でシンガポールに2007年から移住していると言う。その理由は、娘2人に(将来必須となるであろう)中国語を習得させるためだと言う。「歴史は韻を踏むように少しずつ形を変えながら反復し続ける」と言う著者にとって、中国の台頭は必至らしい。
 
著者は、「もし私が10歳の日本人だったら、日本を離れて他国に移住する」と語る。その理由は、債務が大きい国は常にひどい姿になって終焉するという歴史の教訓だとする。人口が減少し、移民を受け入れない国には将来大きな問題が起きるという予言はできれば当たって欲しくない。さらに日本の好景気はうわべだけで、アベノミクスが成功することはないとする。そんな日本ではあるが、投資家としてはオイシイのだとか。世界中の株価が暴落しても、日本株、中国株、ロシア株は保有しておくらしい。

 個人的に移民には反対であるが、著者の話を読むとその考えもグラつく。移民してくる人は、そもそも勇気があるから国を出てくる人だという意見は確かにその通りだと思う。それに異なる文化を持ってやってきてもやがて同化するとする(特に子供は確実だとする)。変化を拒んでいればいずれ職を失うとするが、それは個人だけに当てはまることでもないだろう。

 日本に投資するなら、観光、農業、教育だとか。日本の強みはクオリティへの探究心、類稀なる国民性、貯蓄率の高さであるとする。ダメというだけではなく、日本への処方箋も提言してくれている。すなわち、「歳出カット」「関税引き下げと国境の開放」「移民の受け入れ(ただし慎重に)」である。さらに中国・韓国のようにエンジニア育成に国費をもっと投じる必要があるという。このあたりの意見は頭の隅にとどめて起きたい。

 アジアでは韓国に注目しているという。それは北朝鮮の開国。統一されることで、韓国の少子高齢化問題は解決されるとする。5年後のアジアで最も幸せな国になるとする。このあたりはこれからじっくり観察したい。中国については、何かと非難される一党独裁については一般とは違った見方をしている。すなわち、共産党員9000万人の中から選ばれて党書記になるわけであり、ある意味アメリカの大統領制より民主的だとする。

 最後に大事だとする心得が伝授される。
 1. 人のアドバイスには耳を傾けるな
 2. 学歴と成功は無関係
 3. 投資家に必要なのはほとんどの場合、「何もしないこと」
 4. 通貨の混乱やインフレから身を守るにはリアルアセット(実物資産)を持つしかない
 5. これから必要なスキルは外国語
 6. 移住するなら韓国、中国、ベトナム、コロンビア
 7. 賢い投資家はETFに入っていない企業の株を買う

 「人と同じことをして成功した人はいない」という言葉は心に残る。これからの行き方も書かれていて、若い人には参考になるかもしれない。もちろん、今の自分にも心得て起きたい話も多い。このクラスの人となると、1つ1つの言葉に多くの学びが含まれている。大いに刺激を受ける一冊である・・・
 

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2019年01月29日

【マンガーの投資術−バークシャー・ハザウェイ副会長チャーリー・マンガーの珠玉の言葉-富の追求、ビジネス、処世について−】デビッド・クラーク 読書日記994



原題: THE TAO OF CHARLIE MUNGER
《目次》
PART I 投資で成功する考え方
PART II 企業、銀行、経済
PART III 事業と投資に関する哲学
PART IV 人生、教育、幸福の追求についての助言

 バークシャー・ハサウェイと言えば、何と言っても投資の神様とも言えるウォーレン・バフェットがあまりにも有名であるが、本書で採り上げるチャーリー・マンガーはその副会長。正直言って知らなかったが、実はウォーレン・バフェットよりも7歳年上であり、同氏の「右腕以上」と言われるほどの人物だと言う。解説によれば、これまでバフェットの言葉として伝わっているものも、どの考えがバフェットのもので、どのアイデアがマンガーのものか第三者には判別がつかないらしい。そんな人物の言葉を集めたのが本書である。
 
1.手っ取り早く金持ちになりたいと言う欲望は非常に危険である
2.自分が何を知らないかを知っていることは、優秀であること以上に価値がある(わからないものには投資しない)
3.人生はある意味でポーカーゲームのようなものである。お気に入りの手札を持っていても、時には降りることを生ばなければならない
株式投資をやったことがある者であれば、思わずドキッとさせられるかもしれない。非常に深い言葉が最初から並ぶ。個人資産が20億ドルを超えるという人の言葉ゆえに、非常に重く響く。

 一方で、「分散投資をありがたがるとは、気が違っているとしか思えない」と語る。一般的に分散投資はリスク回避の重要な手法と思われているが、そうではないらしい。また、幾度となく強調されるのは、「待つ」こと。
 1. 投資では座して待つことが重要
 2. 待つことは投資家にとって大きな助けになる。多くの人は待つことができない
 3. 投資で成功するためには度胸と忍耐
 4. バイ・アンド・ホールド
何度も繰り返されるがゆえに、これがマンガーの投資の考え方の核心だと思われる。

 そして同じく繰り返されるのが、金融機関に対する不信感。ウェルズ・ファーゴ銀行は別であるようだが、銀行、ウォール街批判は一貫している。銀行は「ヘロイン常習者と同じ」とまで言い切っている。さらには、レバレッジ(借金)に対しても否定的。現金を持ち、千載一遇のチャンスに一気に投資すると言うのが秘訣らしい。さらに投資以外についても耳を傾けたい言葉が続く。

 1. 毎日少しでもいいから前に進もうと努力しなさい
 2. 良い伴侶を見つける最善の方法は良い伴侶にふさわしい存在になること
 3. 過ちを犯すことで次から対処できるようになる
 4. いつも考え続け、本を読み続けていれば働く必要はない
 5. 分不相応な暮らしをしない
 6. 友人を得るための秘訣は友人になろうとすること
読書と学ぶことも何度も強調される。

キャリアについての助言も心に残る。
 1. 自分自身が買おうと思わないものを売らないこと
 2. 尊敬しない人のために働かないこと
 3. いっしょに仕事をして楽しい人々とだけ働くこと
これは今の自分自身の仕事について考えると、その通りだと思わされる。今、その通りに働けているのは幸せなことらしい。
 
 御年90歳を超えていると言うが、もはや人生の達人とも言うべき人で、そんな人の言葉はやはり重く響く。1つ1つの言葉は実にシンプルであるが、濃縮されている。簡単なようでいて簡単ではないかもしれない。まだこれから自分も投資をしたいと考えているし、それだけではなくとも、いくつかの言葉は胸に秘めておきたいと思う。
 
 軽くて深い一冊である・・・



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2019年01月11日

【おカネの教室−僕らがおかしなクラブで学んだ秘密−】高井 浩章 読書日記989



《目次》
<4月>
 1時間目 そろばん勘定クラブへようこそ
 2時間目 お金を手に入れる6つの方法
 3時間目 役に立つ仕事 立たない仕事
<5月>
 4時間目 リーマンショックはなぜ起きた
 放課後 図書室で会いましょう
 5時間目 もうけは銀行家、損は国民に
 放課後 先生とお父さんは同級生?
 6時間目 いる?いらない?最古の職業
 7時間目 戦争と軍人
<6月>
 放課後 似たもの親子 似てない親子
 8時間目 「フツー」が世界を豊かにする
 放課後 GDPとフツーの微妙な関係
 9時間目 キーワードは「持ち場を守る」
 放課後 健康で文化的な最低限度の家族団らん
 10時間目 資本主義・社会主義・民主主義
<7月>
 11時間目 働くということ
 12時間目 「タマゴ」がわかれば世界がみえる
 放課後 たかが500円、されど500円
 13時間目 お金の借り方、教えます
 放課後 宿題は借金100万円
 14時間目 貸すも親切 貸さぬも親切
 放課後 お金を「ふやす」は無理難題?
<8月>
 15時間目 低金利の真犯人は「市場の力学」
 16時間目 株式投資と「神の見えざる手」
 17時間目 貧富の格差が広がる理由
 放課後 福島家のいちばん長い日
 放課後 アイスクリームのお返し
 18時間目 6番目の方法
<9月>
 課外授業

 元銀行員である自分だからかもしれないが、「お金」というタイトルにはついつい目が行ってしまう。さらにタイトルと漫画絵の描かれた表紙から、どうやら子供向けの本だろうと見当がつく。実際、この本は新聞記者である著者が、自分の3人の娘に経済やお金の仕組みを教えたくて書いたものだという。最初はそんな楽しい読み物を探したらしいが、ないので自分で書いたというところがすごい。私も自分の子供に金融教育をしたいと考えているので、まずは自分で読んでみた次第である。

 内容は物語形式となっている。中学2年の木戸隼人と福島乙女が、学校のクラブ活動で「そろばん勘定クラブ」に入る(隼人はサッカーがやりたかったようだが、選に漏れてしまったとのこと)。そこで顧問の江守先生と、お金について学んで行くというストーリー。まず最初にお金を手に入れる方法として6つあると江守は説明する。ただし、最初に出てくるのは5つのみ。すなわち、「かせぐ」「ぬすむ」「もらう」「かりる」「ふやす」である。後の1つはなんだろうと考えてみるも、この時点では思い浮かばない。

 先生と生徒3人のクラブ活動が始まる。まずは職業が出てくる。「先生」「昆虫学者」「パン屋」「サラリーマン」「銀行家」「売春婦」。中学生で「売春婦」はいかがかと思うが、特に木戸くん(あだ名はサッチョウさん)も福島さん(あだ名はビャッコさん)も抵抗もなく進んで行く。江守先生(あだ名はカイシュウさん)はもともと投資銀行に勤めていたということで、リーマンショックを引き起こしたかつての自分たちをダニ軍団と蔑む。まぁ、確かにそう言われても仕方ない。

 さらに「生活保護」「障害者」という話も登場する。3人はカイシュウさんの伝手で、障害者雇用率の高い工場見学に行ったりする。福祉の充実とその悪用という問題が提起されるが、カイシュウさんの意見は、悪用を防ごうとすればかえって本当に困っている人をはじいてしまうことになると説明する。ひとまず受け入れてから目を光らせるべきとの意見を2人に話して聞かせる。こういう考えさせる問題は、中学生くらいには大いに必要だろうと思う。

 お金の話は経済の話へと必然的に広がる。ピケティが『21世紀の資本』で主張した「r>g」の公式の説明(経済全体の成長より投資で儲かるペースの方が早い)も出てくる。「中学生には・・・」と思う気持ちと、「そんな考えこそ改めるべき」という考えが相交差する。銀行の「信用創造機能」の説明もあるが、「早すぎる」なんて考えは不要なのかもしれない。

 親が地主で、高利貸しとパチンコを経営しているビャッコさんは、親の職業を嫌っている。こういう問題も考えてみるのはいいかもしれない。日本の相続税の高さにも言及したりしていて、中学生が主人公でなければ、ちょっとした大人向けでもいいかもしれない。自分にとっては、特に新たに学ぶ内容はないが、自分だったら子供達にどう説明するかと考えながら読んでいると、いろいろと思考が巡ることになる。

 自分自身の結論としては、中学生の息子にも読ませてみたいと思う一冊である・・・




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2018年12月28日

【「米中関係」が決める5年後の日本経済 新聞・ニュースが報じない貿易摩擦の背景とリスクシナリオ】渡邉哲也 読書日記985



《目次》
序章 米中経済対立の背景を読み解く
第1章 米中貿易摩擦の真相を読み解く
第2章 北朝鮮をめぐる米中の政治対立を読み解く
第3章 中国経済の実態を読み解く
第4章 トランプの世界戦略を読み解く
第5章 米中対立から日本経済の「勝ちパターン」を読み解く

 著者は経済評論家。米中対立が世間を賑わせているが、そんなタイムリーなタイトルに惹かれて手にした一冊。ニュースや新聞は世界経済を断片的、一面的にしか捉えていないとする。経済はそれだけで独立したものではなく、政治があって経済があるという説明はその通りだと思う。ニュースに出ていることは、ある意味結果の1つの断片であるという説明は納得である。

 この本は、知っているようで知らない米中関係と日本経済の行方について、80の疑問を基に解説・分析をしたものとされていて、まさに求めているものと期待を抱く。自分で考える力と情報の裏を読む力が身につくという説明も然りである。そんな中、かねてから疑問に思っていたことが採り上げられている。それは中国が保有する米国債。その量が増えるにつれ、アメリカがそれを売られることを恐れ、中国に対してモノが言えなくなるのではという考え方である。

 これに対して、著者は「可能性は限りなく低い」と説明する。その理由として、世界の債権の6割以上がドル建てとなっている現状、取ると同様の価値を持ちながら金利がつく米国債は世界で最も安全にドルを保有するのに適したものという背景があり(つまり需要が高い)、しかもいざとなれば国際緊急経済権限法、米国愛国者法という法律面の安全装置があるからだと言う。なるほどと思う。こういう実情は知っておきたいところである。

 トランプ大統領誕生の背景には、従来民主党の支持基盤であった労組が、特に五大湖周辺州でプアホワイトと呼ばれる労働者の不支持から共和党に流れたという解説が、個人的にはなるほどであった。二極化が進む中、アメリカは中間層を維持するために製造業を中心としたものづくり基盤を構築する必要があるという背景は、今後の動きを理解する上で頭に入れておく必要があると感じる。

 その他、ちょっとメモしておきたかったのは以下の通り。
 1. 北朝鮮は、中国が何もしなければアメリカはしびれを切らして自ら手を下すかもしれない
 2. 中国の実体経済は判断が分かれるが、おそらく悪い
 3. 中国が好景気に見えるのは、数字の水増しとバブルマネーによる消費
 4. 中国の進んだキャッシュレスは、偽札の横行でやむを得ぬ結果
 5. アメリカファーストは自由貿易と並存可

 米中対立構造が深刻化した場合、日本にはアメリカを選ぶという選択肢しかないとする。それはそうかもしれないが、うまく立ち回る道があるような気がする。安倍政権の外交スタンスも部分的に報じられているだけだと分かりにくいが、中国包囲網である「自由と繁栄の弧」だとか「セキュリティ・ダイヤモンド構想」とかの視点を理解しておく必要があると感じる。このあたりは、鷹の目が必要だと思う。

 肝心の日本経済は、オリンピックと大阪万博の中間である2023年に絶頂期になる可能性が大だとする。また、日本が世界トップになれる産業は再生医療だとも。そうした議論も頭に入れておきたいと思う。いずれにせよ、日々のニュースだけを見ていては気がつかない視点もかなりある。こうした本でそれを補うのも必要だと思う。
 今後の経済を見る上で、意識したいと思わされる一冊である・・・




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2018年11月06日

【日本の国難2020年からの賃金・雇用・企業】中原圭介 読書日記970



《目次》
世界金融危機「再来」の可能性
日本経済を蝕む最大の病
2020年以後の日本の雇用
2020年以後の日本の企業
2020年以後の日本の賃金
生き残る自治体と転げ落ちる自治体

 目につけば必ずといっていいくらい読んでいる中原圭介氏の経済本である。今回は、タイトル通り来たるオリンピックイヤーである2020年以降の日本経済や国民生活がどうなっているのかについて、日本の企業や雇用、賃金にスポットを当てながら冷静に分析したと言う一冊である。
 
 現在、世界の株式市場は上昇基調にあるが、これは「世界経済が堅調に推移している」ことと、「主要国の中央銀行が金融緩和の傾向をなかなか止められないという思惑」からだとする。株価はすでに割高水準であり、もっともリスクの高い局面とのことは、意識しておきたい。

 アメリカの個人消費が伸びているが、これは「原油安による物価の下落」と「史上最低水準の低金利」だという。経済を見る上で大事な視点は物価の下落にも2種類あるということ。これまでの著作でも語られてきたが、生産設備の供給過剰によってもたらされる製品価格の下落とエネルギーの供給過剰によってもたらされる物価下落である。同じ物価の下落でも、前者は企業収益の悪化を通じて賃金の低下につながる一方、後者は物価の下落が進めばその分生活に余裕ができ、消費が拡大する。このあたりは非常にわかりやすい。

「経済成長率の数字そのものよりも大事なのは成長の中身」
「経済指標の中で一番重きをおくべき指標は実質的な所得」
新聞を読んでいてもなかなか理解できない経済の見方がよくわかる。こういうところも著者の魅力である。「財政出動は愚者の考え」なども参考になる。

 日本経済を蝕む最大の病は、何と言っても少子高齢化。しかし、実はこれは30年も前から重大性を認識できていたという。なのにその間、何も手を打って来なかったのだと。今からでも少子化の動きを緩めることはできるとする。こういう認識を日本全体で共有すればと思わずにはいられない。

 世界最大の自動車市場である中国が、ガソリン車・ディーゼル車の製造販売禁止の方針を決定し、時期の検討に入ったという。しかし、ヨーロッパ一強のドイツはディーゼルにこだわっており、トヨタはハイブリッドにこだわっていて、それぞれに不安があるとする。欧州はすでに電気自動車に舵を切っているという話を聞けば、素人でもその未来を予測できる。しかし、電気自動車はガソリン車に比べ、部品点数は1/3で、それは雇用を脅かすというリスクがあるとも指摘する。トヨタもうかうかしていられない。

 これから大きな流れとして国民の所得は減っていかざるを得ないと著者は語る。消費税の増税だけではなく、国民年金、国民健康保険の増額は必至であり、可処分所得は10%減っていくのだとか。労働人口は減少していくが、AIを含むイノベーションの進展によって雇用は悪化していく。我々は、どう生活を守っていくのか。著者は、AIやロボットへの課税を提案する。企業は反対するだろうが、自動化の進展を遅らせられれば、新たな雇用の受け皿を育成する時間稼ぎになるとする。なかなかの意見である。

 著者の話は、「当たるも八卦」の予測と違って、理路整然と理屈が通っているだけにわかりやすいし、当たりそうな気がしてくる。今後を考える上で、是非とも知っておきたい内容であることは間違いない。聞きたくない話が多いが、それが現実。これからを考える上でも、引き続き著作をフォローしていきたい方である・・・


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2018年09月03日

【これからを稼ごう−仮想通貨と未来のお金の話−】堀江 貴文 読書日記951



Introduction ── 仮想通貨は問いかける
第1章 僕らは1000年に1度の転換期を迎えた
第2章 ビットコインと自由
第3章 イーサリアム革命
第4章 国家と通貨と仮想通貨
第5章 トークンエコノミーの中で
終わりに ── エストニアにて

またホリエモンの本を手にする。今度の内容は「仮想通貨」。ホリエモンは、従来から仮想通貨の可能性について述べている。この本はそれを改めて一冊にまとめたものである。
「いつまで君は円建てで人生を考えているんだろう」という問いかけが刺激的である。
仮想通貨といえば、どうしてもマウントゴックス事件とか、最近の価格の急騰とかのニュースのイメージで捉えてしまう。改めて仮想通貨とは何なのかは積極的に知っておきたいところである。

仮想通貨とは、価格の急騰に見られるが如く画期的な財テク術ではない。「儲かる、儲からない」の考え方で捉えていると本質を見失うとする。それは我々の「これから」を豊かにするテクノロジーだとする。この本で、ホリエモンは再三にわたって「テクノロジー」という言葉を使う。これが1つのキーワード。

どうしても気になる「マウントゴックス事件」は、1つの大きな取引所のセキュリティに重大な問題があったということだけで、ビットコインの設計自体に問題があったわけではないとする。さらに、「コインチェック事件」というのもあったが、ともにブロックチェーンという技術そのものの欠陥が露わになったということではないという。技術の進展に伴って起きうる事故の類なのかもしれない。

「お金は信用を数値化したもの」とは、ホリエモンの従来からの主張。そして仮想通貨が持つ信用力とは数学的なテクノロジーにより裏打ちされているとする。どうしてもわかりにくいのは、こうした技術的なわかりにくさもあるだろう。「公開鍵暗号方式+P2P+ブロックチェーン」という3つの技術の組み合わせと言われてもピンとこない。

そうした難しさはスルーしてしまってもいいのかもしれない。この本では、「マイニング」という行為の意味とか、「トークン」という言葉の意味とかはなんとなく理解できる。しかし、どうしても技術的なものについてはイメージがわかないのも事実である。国家の管理を離れた独自の経済圏ができる可能性とかが語られるが、そのあたりは何となく理解できる。

「これからお金の価値は下がって行く。その中で豊かになれる人というのは、お金との交換ができない独自の価値基準を持っている人」
「21世紀は仕事と遊びの教会が溶けてきている時代」
「評価経済社会だろうと、通貨主義社会だろうと動かない者が負ける」
これらの考え方は、仮想通貨を抜きにしても真実だと思う。

ホリエモンもこの本では仮想通貨が万能だとは語っていない。ホリエモン自身、すべては模索中であり、すべては「これから」と語っている。その通りなのだろう。自分としては、慌てて飛びつくつもりはないが、「これから」の発展を横目でチェックしつつ、来るべき変化に思考停止にならないようにだけはなっておきたいと思う。そのためにも、ホリエモンのような人の言動や、仮想通貨の動きにも注目していきたい。

そんなことを思わせてくれる一冊である・・・



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2018年08月29日

【BCGが読む経営の論点 2018】ボストンコンサルティンググループ/編 読書日記950



Chapter.1 デジタル化が変える競争戦略
 1. デジタルトランスフォーメーション、「日本企業ならでは」の成功手法とは
 2. 真の「デジタル・マーケティング」へ
 3. AI
 4. 破壊的技術、ブロックチェーンにどう備えるか
Chapter.2 人手不足・少子高齢化時代を生き残る
 5. 世界で進む少子高齢化
 6. アジャイルによる働き方改革
 7. バリューベース・ヘルスケアの衝撃
 8. 競争戦略としてのダイバーシティ
Chapter. 3 ディスラプト(断絶)後の勝者の条件
 9. 新ステージに入ったグローバリゼーション
 10.「つながる時代」のビジネスモデル・イノベーション
 11.「M&Aレベル3」の時代へ
 12.シェアリング・エコノミー
 13.「値上げは悪」からの脱却

 ボストンコンサルティンググループ(BCG)と言えば、日本ではマッキンゼーと並んで外資系トップのコンサルティング会社として認知されている。そんなBCGが「経営の論点」と称して13のテーマについて挙げているとなれば、興味はそそられるというもの。そんな興味から手にした一冊。

 まず始めに語られるのが、「デジタルトランスフォーメーション」。2017年は世界的に「デジタル元年」とされたそうであるが、デジタルトランスフォーメーションとは、要は事業モデルや意思決定プロセスすべてをデジタル化することを目指す構造改革のことであるという。それは例えば、キャタピラー社がソーシャルメディアの活用を通じて顧客の声を集め、自社製品に対するフィードバックをエンジニアリング部門に直接伝える仕組みを構築した例を持って語られる。

 何でもかんでもデジタル化できるのか、する必要があるのか、それはまだわからないが、こういう動きが出てきているという意味ではひとつ勉強になるところである。そういう観点からこの本を捉えるのがいいと思わされる。ただ、気になるのはやたらカタカナ言葉が多いこと。商社やコンサルタントの人たちの特徴でもあると思うが、このあたりは慣れないと引っかかる。もちろん、まだ日本語としてはっきりと表せる言葉がないものは仕方ないが、「消費のオケージョンごとに」なんてただの「消費の機会」で十分だと思うが、英語が喋れない者のやっかみかもしれない。

 AIについては、すっかり最近の流行語である。ただし、何でもかんでもというわけではなく、AIには3つの得意分野があるという。それは「分類」、「識別」、「予測」である。そしてAIを賢く使うためのポイントとして、
 1. AIがうまく解ける形に課題を因数分解する
 2. 無意識の作業を形式知化して置き換える
 3. 単機能で組み合わせる
とする。こういうところはなかなか勉強になる。

 少子高齢化もおなじみのキーワードであるが、日本は同質な社会とされていたが、これが少子高齢化によって崩れていくという。やがてそれがセグメンテーションが必要となり、そのさきのパーソナライゼーションが重要になってくるという考え方は興味深かった。
よくわからなかったのが、「アジャイルな働き方改革」。「アジャイル」という言葉も分かりにくいが、「スタンドアップ」「スプリント」「レトロスペクティブ」なんて言葉が怒涛のように登場してわけがわからない。「スタンドアップ」とは「立ってやる朝礼のようにもの」らしいが、「スタンドアップ」と「立ってやる朝礼」の違いがよくわからない。

 今ひとつ興味深かったのが、「つながる世界」の話。今やスマートフォンやタブレットが世界中に行き渡り、様々な機械・装置がネットワークにつながり始めており、これらをモノやサービス提供の高度化・効率化に活用する動きが強まっているというもの。それらを「顧客接点・基盤」「ネットワーク」「プラットフォーム(認証・ID、決済、ポイント)」「サービス」の4つの階層構造のなかでエコシステムが構築されている様子が説明される。こういう見方はとても勉強になる。

 この手の本が総じて「概論的」になるのはある程度仕方ないのかもしれない。個人的にはもっと具体的な例とともに知りたかったが、それはこの本の目指すところとは違うのであろう。概論的にでも知るのだけでも十分意味はあると思う。現代の経営の先端を走っている人たちの意見であり、大いに参考にしたいと思わされる一冊である・・・



posted by HH at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | 金融・経済・株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする