2017年11月06日

【わがセブン秘録】鈴木敏文



第1章 懸命に「行き当たりばったり」に生きてきた
第2章 「無」から「有」を生むには「跳ぶ発想」を鍛える
第3章 「できない理由」をあげるより「実現する方法」を考えよう
第4章 「仕事の分母」には「売り手」ではなく常に「お客様」を置くと真実が見える
第5章 「判断の尺度」を「お客様」に合わせれば迷わず一秒で決断できる
第6章 ものごとの「本質」を見抜ければ仕事はうまくいく

昨年、ブチ切れ会見と言われた記者会見で井坂社長を批判してセブン&アイ・ホールディングスを退任した鈴木敏文名誉顧問であるが、その引き際については晩節を汚した感を強く感じていた。しかし、それまでの実績は疑う余地はなく、興味を持って手にした一冊。

冒頭で簡単に実績を振り返る。
1. 日本初の本格的なコンビニエンスストア「セブンイレブン」を創業
2. コンビニでお弁当やおにぎりの販売
3. 経営危機に瀕した本家本元の米サウスランド社の再建
4. セブン銀行の設立
まだまだあるのだろうが、これだけでもすごいと改めて思う。

そんな実績を振り返り、それを成し得た理由は、「無から有を生む発想力」だとする。大型スーパー全盛の時代に日本へのコンビニ導入をやろうとしたところ、学界や業界や社内からも反対の大合唱だったという。そんな中、導入を推し進められたのは、「中小の小売店の経営が苦しくなったのは大型店が原因ではなく、市場の変化に対応できなかったことにある」という考えと、過去の延長線上ではなく、未来を起点にした発想=跳ぶ発想だとする。これは示唆に富む言葉である。

著者は、60年間にわたり仕事をしてこられた理由を3つ挙げている。
1. 発想力
2. 会社と仕事は別と考える(「会社にしがみつく」という意識を持たない)
3. 判断の尺度を「お客様」に合わせる
いずれも個人的には常に自分自身で考えていることと合致していて嬉しくなる。
「未来に向かって敷かれたレールはない」という言葉が心に響く。

その人生を振り返ると、「懸命に行き当たりばったりに生きてきた」と語る。それでもいいのだと心が楽になる。セブンイレブンの導入にあたり、喉から手が出るほど見たかったマニュアルを見せてもらったら、その内容の粗末さに愕然としたというエピソードはもう何度も耳にしている。イトーヨーカ堂に転職したら話が違ったという話は初めて知ったが、失敗したと感じてもそこから逃げなかったことがすべての成功につながっているとする。「最大の失敗は最大のチャンスを掴むきっかけ」という言葉が重い。

1. 過去の経験というフィルターが未来を見えなくする
2. 実現する方法がなければ自分たちで考えれば良い
3. 「できない」という前に「できる方法」を考える
4. 売り手の好都合は買い手の不都合
5. 伝え方も聞き手の立場で考える
いい言葉が続くなぁと心底思う。

特にしばしば強調される「未来を起点にした発想」という考え方に強く惹かれる。これは本質を見抜く力に必要な発想であり、本質を見抜くためには、「本当にそうだろうかと常に問い直す」ことが大事だという。これには激しく同意してしまう。概ね、語られる言葉に自分の考えと同じものを感じる。大経営者と同じというのもおこがましいが、こっそり自負したいところである。晩節を汚した感はあるが、発想力はまだまだ現役という意識なのだろうし、それはそうなのだろうと思う。シンプルな言葉に、大経営者の言葉の重みを感じる。

サラリーマンなら是非とも身につけておきたい考え方の数々。これは特に若いサラリーマンには必読の書と言える一冊である・・・



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2017年11月02日

【HIGH OUTPUT MANAGEMENT−人を育て、成果を最大にするマネジメント−】アンドリュー・S.グローブ



原題:HIGH OUTPUT MANAGEMENT
第1部  朝食工場−生産管理の基本原理
 第1章 生産の基本
 第2章 朝食工場を動かす
第2部 経営管理はチームゲームである
 第3章 経営管理者のテコ作用
 第4章 ミーティング−マネジャーにとっての大事な手段
 第5章 決断、決断、また決断
 第6章 計画化−明日のアウトプットへの今日の行動
第3部 チームの中のチーム
 第7章 朝食工場の全国展開へ
 第8章 ハイブリッド組織 
 第9章 二重所属制度
 第10章 コントロール方式
第4部 選手たち
 第11章 スポーツとの対比 
 第12章 タスク習熟度
 第13章 人事考課−裁判官兼陪審員としてのマネジャー
 第14章 2つのむずかしい仕事
 第15章 タスク関連フィードバックとしての報酬
 第16章 なぜ教育訓練が上司の仕事なのか

著者は元インテルのCEO。ご本人は既に故人となっている。この本は新しく出版されたものだが、もともとは1983年に書かれたものらしい。内容が良いと言うことで、装い新たに出版されたと言うことのようである。

内容はと言うと、マネジャーかくあるべしという一言に尽きる。こういうことは、内容が良いとそれが拡散され、似たようなことを言う人も出てきて、時代を経ていつのまにか当たり前の原理みたいになっていることがある。そんな既視感を感じるところも随所にある。また、インテルは製造メーカーということもあり、生産管理などメーカー的な考えの部分もある。まぁ、リーダーは業種に関わらず、それほど変わらないので、おかしなところがあるわけではない。

冒頭に出てくるのは、朝食工場の例。トーストとコーヒーとゆで卵というメニュー構成の店で、それをどのように効率よく提供するかがわかりやすく説明される。一番時間がかかるのはゆで卵であり、ここが最も重要なステップであるとしてここを中心に流れを計画する。別にメーカーでなくてもこの考え方はいろいろと応用できる。

「マネジャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される」という考え方はもっともである。ここでいう「アウトプット」とは、「自分の組織のアウトプット+自分の影響が及ぶ隣接組織のアウトプット」だとする。「自分の組織のアウトプット」はもちろんだが、「自分の影響の及ぶ隣接組織のアウトプット」という考え方は、なるほどである。これは意識したいと思う。

そしてマネジャーのやるべきことは部下の教育とモチベーションの向上だとするが、やっぱりそうなのだろうと思う。「仕事はチームでやるべきもの」という考えは言われるまでもないが、マネジャーは自分が最高のプレーヤーである必要はなく、いかにチームのアウトプットが高くなるかを考えれば、部下が最高のプレーをしてくれればそれで良いわけである。「自分の部門のアウトプットを最高にあげると思われる活動に自分のエネルギーを注ぐ」のである。

それを「経営活動のテコ作用」という別の表現でも説明している。中にはネガティブなものもあって注意しないといけないが、マネジャーはやはり部下に影響力を及ぼすことができるわけで、それによって部下の大きな力を引き出すわけである。その方法の一つに「権限移譲」をあげている。それはそうだと改めて思うが、ただ任せっきりにするのは良くなく、仕事のモニタリングは必要で、その完了には当然責任があるのである。

また、ミーティングに関しては、著者は好意的に捉えている。ミーティングは最近では効率が悪く、長時間労働の一因とされることもあるが、著者は「マネジャーの仕事はミーティングを通じてのみ遂行できる」とする。また、五月雨式に部下の相談を受けていると、常に自分の仕事が中断され非効率となりがちなので、相談を受ける時間を決めておくと良いとする。

ミーティングのやり方も組織のあり方もいろいろと書かれていて、なるほど冒頭でこの本に影響を受けたというベンチャーキャピタリストが賛辞を送っているのがよくわかる。いろいろとヒントを求めている人には、得るところは大きいかもしれない。
マネジャーのあるべき原則論として、参考になる一冊である・・・



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2017年10月17日

【ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み】近藤宣之



プロローグ どんな会社でも必ず再建できる!
第1章 23年連続黒字は社員のモチベーションが10割!
第2章 10年以上離職率ほぼゼロ!人が辞めない仕組みはこうつくる
第3章 なぜ、女性を大切にすると利益が上がるのか?
第4章 どん底から運をたぐり寄せるコツ

著者は、日本レーザーという会社の代表取締役社長。タイトルに惹かれて何気なく手にしたのだが、意外と引き込まれてしまった一冊である。
日本レーザーは、もともと日本電子という会社の100%子会社であったそうで、著者も元々は日本電子の役員で、日本レーザーには会社立て直しのために送り込まれてきたようである。それが経営改善を経て、MEBOという社長以下全員が出資して親会社から株を買い取り独立したとのことである。

著者が日本レーザーに送り込まれてきたときは、5年間で3回の赤字を出し、在庫・設備・債権・人材という4つの不良を抱え、さらに社長就任直後に役員が部下と商権を持って独立するという惨憺たる有様だったようである。そんなどん底からの経営立て直しは、それだけで面白そうだし興味をそそられる。

再建2年目に著者は親会社の役員を退任し、退路を絶ったそうである。社長の本気が社員を本気にすると著者は語る。そんな著者の経営改善の秘訣は、とにかく社員のやる気を引き出すということに尽きるようである。
・トラブルなどの悪い情報ほど笑顔で聞く
・社長の何気ない声かけ、コミュニケーション自体が社員教育
・トップダウンでは組織は成長しない
・社員ひとりひとりに裁量権

社員をやる気にさせ、さらには辞めないようにするには3つの条件が必要だとする。
1. 言いたいことがなんでも言える明るい風土
2. 社員が会社から大事にされているという実感
3. 会社は自分のものだという当事者意識
このあたりは理屈ではよくわかる。我が社もかくあるべしと思う。

となると、気になるのは人事評価であるが、日本レーザーでは「能力主義」「業績主義」「理念主義」の3つをベースにしているという。「業績主義」は粗利の3%を当事者同士で分配する制度をとっているようで、「理念主義」は全役員が全社員の全項目について評価する仕組みを取っているそうである。具体的な評価項目も掲載されていて参考になる。

経営危機が起きる原因を著者は5つ上げている。その中でも「不振の原因を外部環境のせいにする」というところに目が止まった。「赤字になるかどうかは社長の意識の問題」と語るが、銀行員時代に多くの不振企業の社長さんと話をしてきたが、外部環境のせいにする人は実に多いのである。「経営トップに求められているのは自責の思考法」とするが、まったくその通りだと思う。「苦難・試練・逆風・困難という砥石で自分を磨く」という言葉は、自責の考え方の最たるものだろう。

「損か得かだけで判断しない」とは、著者もそう考えているらしい。「遠回りこそ人生の最短ルート」と言うが、これもあちこちでよく耳にする。人生の真理とは同じものに集約されて行くのだろう。そして著者も「運の良さ」を語る。成功を引き寄せる4条件は、「体力、能力、ハードワーク、そして運」だとする。これも名経営者たちが口を揃えて語っている。

その運を良くするためには5つの心掛けが必要だとするが、そのうちの2つが目に止まる。
1. 絶対に人のせいにしない
2. 身の回りに起こることは必然と考え、すべてを受け入れる
こうした心掛けの積み重ねが、結局経営に結果となって現れてくるのだと思う。このあたり自分でも大いに意識したいところである。

我が社も経営改善途上にあり、そう言う意味で参考になるところ大であった。経営の真理はシンプルでかつ共通しているものだと、改めて思うところである。
経営者であれば、是非とも一読しておきたい一冊である・・・



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2017年04月07日

【セブン-イレブン1号店繁盛する商い】山本憲司



第1章 十六坪の出発
第2章 日々是発見
第3章 コンビニ商いの鉄則
第4章 接客の心得
第5章 一所懸命

 タイトルにある通り、著者はセブンイレブン1号店の経営者。すでにいろいろなところでこの1号店(日本のコンビニ1号店でもある)の話は取り上げられているが、改めてご本人の書を手に取る。なんでも事あるごとに書き溜めていたメモを元にしたもので、著者なりの商売心得帖が小冊子になり、本書になったという。一読してわかるが、そういうメモをとるところからも商売熱心さが伝わってくる一冊である。

 1号店のオープンは、1974年5月15日。最初の売り上げは、開店前の午前6時半過ぎに来たお客さんで、当時アメリカのセブンイレブンで売れ筋だったサングラスだったという。初日の来客の中にはダイエーの中内社長の姿もあり、ダイエーは翌年大阪にローソン1号店をオープンさせている。そんなエピソードが面白い。

 著者はもともと酒屋の長男で、明治大学経営学部の2年時に父親の健康状態が悪くなり、店を手伝うようになる。そしてそのまま父は帰らぬ人となり、著者は大学を辞めて経営に専念する。しかし、不慣れな若者の経営であり、また事業の将来性に対する不安もあり、様々なセミナーに参加するうちにコンビニの存在を知り興味を持つ。そしてイトーヨーカ堂がセブンイレブンをスタートさせると知ると、手紙を書いてフランチャイズに手をあげる。

 経営学部という素地があったのかも知れないが、こうしてアンテナを張っていた事がその後に繋がった訳で、日々目の前の仕事をただこなしているだけだったら現在はなかっただろう。そしてその熱意が認められフランチャイズ候補となるが、「結婚をしていないとダメ」と言われて親友に頼み急遽相手を探して結婚する。このエピソードにはちょっと驚きを感じる。そして母の後押しを受け、当時大金であった2,200万円の借金を背負ってスタートする。かなりのリスクテイクである。

 最初の研修では、1日3万円の費用を払って研修を受ける。質問責めで2時間も時間オーバーしたというから、その熱意たるや凄いと思う。そしてオープン後は、1日の睡眠時間が3〜4時間だったという。それでも苦痛に感じることはなく、むしろ不安だったのはいくら売り上げ、適正経費はどのくらいで利益はどのくらいがいいのかわからないことだったという。全く手探りな中で、24歳の若者が奮闘努力する様に胸が熱くなる。

 当時は夜開いている店などなかったわけで、それでも風呂の帰りにビールとつまみを買っていく客がいて、それがセブンイレブンのフランチャイズ戦略を変える発見だったり、ロックアイスやプルトップ缶の需要を発見したり、本部と一体になって新しい事業を進めていくが、このあたりは創業物語特有の面白さがある。特に欠品に対する意識は強く、「コンビニ経営の成否は(欠品を出さない)発注にあり」とまで言い切る。「少数だけど売れる商品を買うのは常連、期待を裏切って他店に行かれたら大きな損失」という意見はなるほどと思わされる。

「日々が仮説と検証の繰り返し」という努力の姿勢は志の4原則に現れている。
1. 情熱(この仕事が好きだと感じているか)
2. 努力(店で日々創意工夫をしているか)
3. 継続(お客様にとって良いことだと思ったらたとえコストがかかっても続けることができるか)
4. 勇気

 何事も一番最初というのはリスクがあるものの、うまくいけばずっと語り継がれることになる。これからも「日本のコンビニ1号店」「セブンイレブン1号店」の称号は永久に残るだろう。そしてそれは「たまたま」、「偶然」というものではなく、著者の努力がもたらしたものだということがわかる。それはその後の「日々が仮説と検証の繰り返し」という姿勢にも現れている。何かを成し遂げた人には何かがある。その思いを補強させてくれる。

 立場に関係なく、何かを成し遂げたいと思う人なら、読んでおきたい一冊である。



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2017年03月15日

【経営者になるためのノート】柳井正



序 章 経営者とは
本編 経営者に必要な四つの力
第1章 変革する力
第2章 設ける力
第3章 チームを作る力
第4章 理想を追求する力

著者はユニクロの柳井氏。大経営者の本を読むのも、直接薫陶を得ることのできない身としては勉強になるというものである。手にとってまず驚く。その名の通り、「ノート」なのである。真ん中に普通の本のように文章が印刷してあり、その周りに広く余白がとってある。ここに気づいたことをどんどん書き込めということのようである。「自分だったらどう考えるのか」「自分の組織だったらどのようなことが当てはまるのか」自分でノートを完成させろという。なかなか面白い。

経営者とは、一言で言えば「成果をあげる人」だとする。「成果」とは「約束したこと」。経営者が、顧客、社会、株式市場、従業員に対して約束したことを実行して実現することである。そしてそれを考えるにあたって一番大切なことは、社会における自分たちの存在意義、つまり使命を考えることだと続く。会社の使命と成果が結びついていることが経営の原則だとする。自分たちの会社はどうであろうかと考えてみる。良い問いかけだと思う。

以下、経営者に必要な四つの力というテーマに沿って話が進む。心に刺さった言葉をメモしているとあっという間にリストが長くなる。
1. 非常識と思えるほどの目標を掲げよ
2. 終わりから始める。ゴールを設定すれば「すべきこと」が明らかになる
3. 常識を疑い、常識にとらわれない
4. 危機感に基づいて経営をやるべきであって、不安に基づいてやってはいけない
5. 仕事の基準を高く持ち、妥協と諦めをしないで追求する
6. 自分なりの基準ではなく、お客様が本当に喜ぶ基準
7. リスクがあるところに利益がある
8. リスクを取った限りは中途半端にせず、結果が出るまでやりきる
9. 要求、質問をしないと現場の仕事は「作業」になる
10. 厳しい要求をする。要求してやらせる以上は最終的な責任は上司が全部取るということを覚悟しておく
11. 自分はできていると思わないようにする
12. 自分に力をつけて本物の情報が入るようにする
13. お客様の声は重要だが、その一枚上手を行こうとする
14. 提供者である自分たちが本当にいいものと思うもの、本当にいいお店だと思うものを作る
15. 当たり前のことを徹底して積み重ねる。能力よりも習慣
本当にキリがない・・・

リーダーシップについても、個人的に大いに勉強になる。
1. 信頼こそすべて
2. 首尾一貫
3. 部下の立場に立って話を聞く
4. 目標はしつこく繰り返してはじめて共有できるもの
5. 仕事を本人に考えさせることが責任感の根源となる
6. 自由に考えさせて権限を与えた方が結果もよくなる
7. 本人が自分の仕事だと思ってやるから責任も追及できる
8. 自分の仕事だと思った時、人は頑張る。箸の上げ下ろしまで指図しない
9. 仕事の成果=能力×モチベーション
言われてみればその通り。自分自身が部下の立場に立てば、こういうリーダーの下で働きたいと思うだろう。自分もかくありたいと思う。

「経営者になるためのノート」というタイトルは、まさにその通り。薄いが中身は非常に濃い。意識を高く持ちたいと思う人なら、読んでおきたい一冊である・・・




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2017年03月09日

【キリンビール高知支店の奇跡−勝利の法則は現場で拾え!−】田村潤



第1章 高知の闘いで「勝ち方」を学んだ
第2章 舞台が大きくなっても勝つための基本は変わらない
第3章 まとめ:勝つための「心の置き場」

 著者は元キリンビール代表取締役副社長。この本は、高知支店での成功体験を基にした経験談である。キリンビールといえば、戦後長らくラガービールで国内市場で圧倒的な地位を占め、「ビールといえばキリン」と言われていたが、「スーパードライ」を提げたアサヒビールが大逆転をしたのが有名である。そんなビール戦争を敗者の側から見るという意味で興味を持った一冊である。

 著者は、それまで社内で一般的であった価格営業に反対で、「安売りしろ」という声に反発していたそうである。そんな姿勢が問題になったのか、全国でも苦戦地域の一つであり、負け続けている高知支店へ配属される。全国でも最下位ランクであり、四国本部のお荷物とまで言われた支店への配属であり、それは「左遷」であり社内でも「田村は終わった」と言われていたらしい。

 当時の高知支店は、営業マンは皆本社から四国地区本部を通して下りてきた指示を販売店に伝えに行っている状態で、取引先に行くたびにこちらの言うことが(本部の施策に合わせて)違っていたという。それでいて「現場は一生懸命やっている」という言い訳をしてばかりで、「悪いのはできもしない目標をどんどんおろしてくる本社」という様子であったという。

 そんな中、著者はどうして良いか分からず、まずは聞くことから始めたという。年間270回に及ぶ宴会に出席していたらしいが、それで糖尿病、高血圧、痛風になってしまう。しかしそんな聞き込みから、戦略を「料飲店の攻略」という一点に絞る。戦略を絞ると、当然次々に下りてくる本部の施策をどうするとなるが、著者はそれを無視させたという。社外に加え、社内の戦いもあったのである。

 営業課長と一緒に推進したのは、「結果のコミュニケーション」。結果のクロージングにこだわるというもので、「やったつもりが許されない」「見てないことは罪」「やっていないことは悪」で、営業マンを逃げられない環境にしたという。そこには4ヶ月の法則というものがあり、結果が出ずとも我慢して4ヶ月目に入ると体が慣れてくる。やがてそうした動きが団結を呼び、営業サポートの女性も土日に出勤するようになる。「仕事が楽しくてしょうがない」とまで言われるようになったらしい。

 やがて高知支店にチームワークが生まれる。一番のきっかけになったのは、「高知がいちばん」のキャッチコピーを使ったセールス。一人あたりのラガー大瓶の消費量が全国1位だったことを利用したものだが、これが高知人の琴線に触れ、販売量が伸びていったという。著者は、本社や四国本部に高知支店の事情を丁寧に説明して社内調整をして行く。3年前には30〜40店しか回っていなかった営業マンが、400店以上回るようになったというからすごいことである。

 そうして高知支店で目覚ましい実績を上げた著者は、四国地区本部長に昇進し、ここでは四国四県それぞれの実情に合わせた戦略を取らせる。会社の方針とその意味を理解した上で、顧客からの支持を最大にするためにどの施策に絞り込むかを決め、効率的なやり方を議論し、現場ならではの工夫をし実行するという手法でまた成果をあげる。

 さらに東海地区本部長に昇進した際は、理論優先の組織の弊害を見抜き、大胆にも「会議廃止」を宣言する。これによって、社員間に工夫が生まれ、何より水と油だった営業と企画との関係が良くなったという。そして東京本社の営業本部長に昇進し、2009年にはアサヒビールからシェアNo.1を奪い返す(その翌年から現在に至るまでアサヒがNo. 1)。

 著者が特に強調しているのが、主体性を持つということ。指示待ちスタイルの変革であり、何より自分の頭で考え行動して主体的に議論をさせるものである。結果を出すことにこだわり、基本を徹底する。現場を熟知し、正しい決定を下し、覚悟と責任感を持ったリーダーを強化する。なるほど、書いてあることは難しいことではなく、「凡事徹底」に尽きるのだとわかる。

 強い組織でリーダーシップを発揮するのも簡単ではないだろうが、著者のように弱小中の弱小組織で成果をあげるのには、やはり考えて考えて考えることが必要だと良くわかる。どんな組織であれ、環境の責任にする前にやることがあるだろうと思えてくる。
実に学ぶところの大きい一冊である・・・



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2017年02月03日

【NASAより宇宙に近い町工場−僕らのロケットが飛んだ−】植松努



第1章 僕たちの宇宙開発
第2章 「よりよく」を求める社会をつくろう
第3章 「夢」って何だろう?
第4章 教えてくれる人がいないなら、自分で学べばいい
第5章 楽をしないで努力を楽しもう
第6章 他のどこにもない経営方針
第7章 あきらめないで世界を変えよう
第8章 未来の社会をつくるために

 著者は北海道でリサイクルに使うパワーショベルにつけるマグネットを製造している会社の社長。その会社は一方で宇宙開発を独自に進めており、その考え方が「TED」などあちこちで話題になった人物。この本の前に、『好奇心を“天職”に変える空想教室』を読んでおり、その前著となる本書を手に取った経緯である。

 なぜ宇宙開発をやっているかというと、それは「どうせ無理」という言葉をこの世からなくすためだと言う。世界で3箇所にしかないという無重力実験装置がこの会社にあるといい、其れもすべて自腹でやっているのだとか。全額自腹なのは、「補助金がつかないから何もできない」と言うことに反発する気持ちがあると言い、この考え方がこの本全編にわたって展開される。

 ビジネス的には、ついつい「元は取れるのか」と思ってしまうが、取れなくともいいと著者は明快だ。元はお金ではなく「経験と知恵と人脈」で得ているとする。事実、お金がかからない実験施設だと言うことで世界中から、(NASAの人たちすら)実験をしに来ると言う。「ノウハウが蓄積され、世界中の研究者と仲良くなれるための費用」と考えたら、ペイできているのだろう。

 著者の語る言葉は、どれも何か深みがある。
・結果が分かっている実験はしなくていい。本当の実験とはどうなるかわからないことをするもの
・「しんどい」と思うところにビジネスチャンスがある
・ニッチは自分でつくれ(ニッチと言うものは「見つける」ものではなく「自分でつくる」もの)
・できると思ったらできる、できないと思ったらできない、それが宇宙開発
・知らなかったら調べればいい、間違ったらやり直せばいい
・楽をすると無能になる
・自信がない人は「評論」をして他人の自信を奪う
・「不景気で仕事がない」は新しいことを始めるチャンス
・給料分だけ働いていると給料分の人間で終わる
・努力とは憧れた結果、「してしまう」もの
至言である。

「0から1を生み出す」とはよく言われることであるが、そういう仕事をするために必要な人というのは、「やったことのないことをやりたがる人」「あきらめない人」「工夫をする人」だという。ワインを作りたいが、それに必要なドイツ製のステンレスの装置が高価で買えないと嘆く友人に著者はアドバイスする。「ワイン造りの始まった紀元前にステンレス製の装置はあったのか?」と。こういう考え方なのだろう。

 著者は高校時代、進路指導で「飛行機かロケットの仕事をしたい」と希望を言ったら、担任の先生に「芦別に生まれた段階で無理、芦別高校に行くか芦別工業高校に行くか考えろ」と言われたそうである。いかにもの指導であるが、我々はこの担任を笑えるだろうかと考えてしまう。「本当の未来というものは、やってみたいことをどうやったらできるかなと考えてやり始めること」という著者の言葉を本当に理解できるだろうか。

宇宙開発だけでなく、本業でも著者の考え方はユニーク。「どんなことがあっても壊れない製品を作る」というのが信条だというが、製造業の場合「壊れやすい製品を作る」のが常識で(でないとリピートで食えない)、それゆえに「壊れない製品」は他社が真似できないのだそうである。ユーザーの立場からすると、「何だかなぁ」と思う業界体質であるが、それで「稼働率を下げる、なるべく売らない、なるべく作らない」を経営方針にしているというから驚きである。

「人が困っていることを見つけて助ける」、言い換えればそれは「優しさ」であり、その「優しさ」が夢を叶えるいちばんの近道だとする。問題というのは、必ず新しいビジネスの種であり、未来というものは現在できることの先にはないとする。著者の言葉の一つ一つに夢と希望が溢れている。「どうせ無理」と言葉にしなくとも心の中で思っていないか、つい胸に手を当ててしまった。

子供たちにも伝えたい考え方であり、その前に是非、自分でも身に付けたいことである。そんな風に考えさせられた一冊である・・・



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2016年12月08日

【空気のつくり方】池田純



第1章 最下位なのに満員なのはなぜ?
第2章 顧客の空気を知る
第3章 世の中の空気を知る
第4章 組織の中に戦う空気を作る
第5章 コミュニケーションのつくり方
第6章 センスの磨き方

著者は、横浜DeNAベイスターズの社長。DeNAが球団を買収したのを機に、2011年から就任しているとのことである。そのベイスターズは、今年とうとうクライマックスシリーズに進出。読売ジャイアンツを破ってファイナルステージに進出した。結果的に広島に負けたものの、これまで5位・6位を行き来していた事を考えると、大いなる飛躍である。

しかし実はそんな飛躍以前に、著者が社長に就任以来、観客数は65%増加し、年間の赤字は24億円から3億円へと減少し(今期とうとう黒字化したようである)、チケットは手に入りにくいプレミアムチケット化したらしい。ちなみにプレミアムチケット化しているのは、セ・リーグではジャイアンツと広島、パ・リーグではソフトバンクだけらしい。チームの戦績を考えると奇跡のようである。そんな奇跡を演出した内側を紹介した一冊である。

チームが勝てない中、集客を伸ばした原因は、以下であるという。
1. 顧客とのコミュニケーション
2. 経営の革新性・透明性
3. 横浜に密着したブランディング
特に2は、新しいことに挑戦し、その経緯を透明にしたとのこと。個人的にはこの部分は心惹かれるものがある。具体的にはハマスタ(横浜スタジアム)のTOBが挙げられている。詳しくはないのであるが、普通球団とスタジアムの運営は分かれているとのことであり、これは前代未聞の取り組みであったらしい。外から来た故に、「業界の常識」にとらわれない自由な発想ができたのであろう。

新しい取り組みに関しては、業界に馴染んだ人から反発が出るもの。しかし、過去の例、数字に囚われていてはビジネスはスケールしないと当然のごとく語る。大切なのは、今流れている空気だという。この「空気」こそが著者のキーワード。この空気を元気にし続けるには、KPI(Key Performance Indicators)が最も重要とする。(そういえば大前健一もKPIについて語っていたと思い出す)そしてクラスター分析の結果、ターゲットを「アクティブ・サラリーマン」と定義する。

野球といえば、ビール片手に男たちが観戦するものというイメージだが、野球の試合を観るためにスタジアムに訪れるのではなく、「野球をつまみに友人や家族と楽しい時間を過ごしてもらう」という風に変えたのだという。そうなると、競合は他球団ではなく、映画館や居酒屋やコンサートとなるわけで、こういう考え方が成功の要因なのだろうと思う。実に参考になる考え方である。

著者はまた読書家でもあるようである。その読書の幅は多岐にわたっていて、手当たり次第本を買っているそうである。これは、一見無関係でもどこにどんなヒントが隠されているかわからないというかららしいが、まさにここは我が意を得たりの感がある。私もかなりの乱読家だと自覚しているが、それはまさにそういう意図からである。

社員との対話を重視し、一人一人とたっぷり30分時間をとって面接。そして自分の考え、会社の方向性を的確に表現する方法を常に探し、過不足なく正しく伝える。そうした積み重ねが会社の空気を作っていくとの事で、まさにその通りなのだろうと思わせられる。

試合終了後は、なんとなく「蛍の光」を流すのではなく、いろいろ考えて「ホーム・スゥィート・ホーム」を流しているという。こういうささやかなところにも妥協がない。本当に無駄なことにはブレーキをかけつつ、有益な無駄な遊びには寛容でいいとする。ベイスターズラガー、ベイスターズエールというビールを作り、地元とともに繁栄を目指す。なんだか、ハマスタへ行って野球が見たくなってしまった。

こうした経営改革モノは個人的には大好きである。自分も目指しているところでもある。そんなサラリーマンとしての自分の力量を上げていくにも、いろいろとヒントにあふれた一冊である・・・




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2016年11月27日

【丁寧を武器にする なぜ小山ロールは1日1600本売れるのか】小山進



第1章 「伝えたい」想いはあるか?
第2章 丁寧という力を武器にしよう
第3章 リサーチやマーケティングより大切なこと
第4章 人が集まる人になる
第5章 人を育てる
第6章 洗い物も世界一と思って洗う

 著者は、兵庫県三田でエスコヤマという洋菓子店を経営するパティシエ。なんでも名物小山ロールは一日1,600本売れるのだとか。堂島ロールという非常に美味しいロールケーキが大阪にはあるが、こちらの小山ロールも是非食べてみたいと思わされる。そんなパティシエが、自らの考え方を綴った一冊。

 タイトルにある「丁寧」というのは、著者の仕事におけるキーワードのようである。「目の前にあることをただただ一生懸命に取り組んできた」と語る著者であるが、「丁寧な力こそ仕事の基礎力になる」とする。「今の自分に自信がない人、今の仕事は自分に合ってないと思う人は、転職をしたり資格を身につけるより、今の仕事を丁寧にこなすところからスタートした方がいい」と語る。

 そんな著者は、世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で最高位を取得している。しかも海外での修行経験がないにも関わらずの受賞は、現地でも注目を浴びたらしい。著者は、今はなき「スイス菓子ハイジ」という洋菓子店から修行をスタートしているが、よくあるように海外へ行って修行するという経験がないそうなのである。しかし、「どこで修行をしても、生かすも殺すも自分自身」と当たり前のように語る。その通りなのだろう。

 著者はしばしば、「想い」について語る。「サロン・デュ・ショコラ」の受賞についても、
「どのような味にして、どのような順番で提供すれば自分の『想い』が伝わるか」
自店の商品についても、
「商品だけでは足りない、商品に『想い』を込める」
そんな『想い』を常に抱いているからだろう、著者の語る言葉には重みがある。

・受け身で仕事をしている限り、どんな仕事でもクリエイティブにならない
・大きな目標を目指すのであっても、まずは小さなこと
・地道なことを確実にできるようにならないといけない
・「足りている時代」は人と同じことをしていたらむしろ成功はしない
・心の利便性とは、これからの時代、人の心に足りないことや欲しがっているものを満たすこと

 エスコヤマの開業にあたっては、中心地から離れた郊外を選び、そこは立地診断会社がすべてダメ出しをしたところだという。「リサーチもマーケティングも過去のもので新たな可能性の芽を摘んでしまう」との考えで強行したらしいが、なかなかである。そして開業資金について、どの銀行も首を縦に振らなかったらしいが、但馬銀行の支店長だけが小山ロールを食べて、「これに貸しましょう」と言ってくれたらしい。こういう支店長も素晴らしい。

・人と競争して勝つ姿ではなく、自分自身と闘っている姿をスタッフに見せること
・「いい仕事」はまわりの人に評価されてはじめて「いい仕事」になる
・子どもたちにおもしろい親、楽しい親、あんな風になりたいと思われているか
・どのような境遇でも折れない心を持って腐らずにいられることが大切
・人を喜ばせるために、どこまで自分の人生を捧げられるのかという覚悟ができた時に、どんな困難な状況でも乗り越えられる

 読んでいるうちに、著者がパティシエであるということが頭から漏れてしまう。著者がここで語る言葉は、パティシエに限らずどんな仕事でも通じる真理であるからである。これを読むと、ますますエスコヤマに興味を持ち、小山ロールなるものを食べてみたくなる。機会を作って、是非現地に行ってみたいと思う。
 あらゆるビジネスパーソンに通じる一冊である・・・


 
posted by HH at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/経営者の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

【本音で生きる−一秒も後悔しない強い生き方−】堀江貴文



序 章 なぜ、本音で生きられないのか
第1章 言い訳をやめる
第2章 バランスをとるな!
第3章 本音で生きられない理由は「自意識」と「プライド」である
第4章 すべてを最適化せよ
第5章 本音で生きるために必要なこと

ホリエモンの著書は近年比較的集中して読んでいる。人によっては好き嫌いがある人だと思うが、個人的には好きな方に入る。その主張するところは、確かに「チクリ」とするところはあるが、その通りだと納得できる部分が多いからである。個人的に自分が議論好き、理屈好き人間であるためか、「なんとなく」よりもはっきり理屈で説かれる方が心地良いせいもある。

そんなホリエモンは、本のタイトルに対し、「なぜ本音を言えないのか」と「素直に」疑問を呈す。「なぜ本音で生きられないかのほうが僕にはわからない」とする。そうだろうと思う。「なんで?言っちゃえばいいのに」という子供が聞いたらその通りだとしか思わないであろうことをさらりと言う。「それが言えれば苦労しない」と言う声が聞こえてきそうである。「ホリエモンだから」言えるのか、「言えるから」ホリエモンなのか。
おそらく後者であろう。

どうしたら本音で生きられるようになるのか。それは以下の3つだとする。
@ 言い訳しない
A バランスを取ろうとしない
B 「自意識」と「プライド」を捨てる

本音を言えないところの最たるところは、「職場」かもしれない。その職場の人間関係は、「セミドライ」がいいとする。つまり、「仕事としては相手に尽くすけれど互いに寄りかからない距離が一番いい」と言うものである。ここで、「相手に尽くす」とは、馴れ合うために与えるのではなく、「目的を持った者同士が目的を達成するために与え合う」ことだとする。なんとなくわからなくもない。

他人のことは、放っておく。「議論は平行線のままでいい」と言う意見は、妙に心にフィットした。それは個人的にも議論好きと言うこともあるし、一方で「議論疲れ」にも辟易しているからでもある。しかし、議論は大事だが、「お互いの価値観が異なっていることがわかる」ので良いとする。意外な気もするが、おそらく常に他人と意見が異なることが多いであろうホリエモンだからこそ、なのかもしれない。“We agree to disagree”でいいのだとする。それよりも、「自分の意見は言わず、周りの空気を読んでみんなと合わせようとする」ことを批判する。それは納得である。

「言い訳をやめる」ことは、誰もが言うことでもある。「お金がないから」「時間がないから」「凡人だから」と言った時点で、もうそれは「今のままでいい」と言っているのと同じだと喝破する。「やり方なんてものはなく、すべてトライアンドエラー」と言う意見には、すべて同意である。「お金がないから」と言っている人は、お金があってもうまくいかないだろう。猫ひろしにカンボジアならオリンピックに出られるとアドバイスしたのは、ホリエモンだと言うエピソードは面白かった。それを実行に移す猫ひろしもすごいと思う。

「プライド」とは「世間体」であり「人の目が気になること」だとする。「実際には存在しない『世間』などと言うものを気にする必要はないと言う意見にも至極同意である。「ノリの良さ」が大事だし、「バーディを取りたいのなら強めに打たないとダメ」と言う喩えはわかりやすい。それから続く格言とでも言うべき主張も参考になる。

・情報は覚えるのではなく、浴びる
・情報の量が質を作る
・アイデアではなく、実行力にこそ価値がある
・大量にアウトプットし、「自分で考えること」を繰り返す
・やりたいことは、“今”やれ!
・大事なのは、GIVE! GIVE! GIVE!

しかしながら、「すべての時間を最適化せよ」と言う部分だけは同意しかねるものがあった。ホリエモンは、超多忙な中、いろいろなことをやっているようである。多分普通の人の何倍もの量だと思う。それを可能ならしめているのが、この時間の「最適化」であるようだが、無駄が心地良いと感じる我が身には、とてもホリエモンのような濃密な活動はできないしやりたくない。まぁ、性格な部分は仕方ないであろう。

 それはそれなのであるが、こう言う「成功者のリズム」とでも言うべき主張は大変参考になることは確かである。すべて真似しようとは思わないし、できないだろうが、大いに参考にしたいと思う。普段気を使いすぎて疲れている人、空気を読むことに疲れている人には、新鮮かもしれない。そんな人には、ちょっとしたヒントになりそうな一冊である・・・



posted by HH at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス/経営者の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする