2019年08月28日

【徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと】ちきりん 読書日記1064



《目次》
第1章 リフォームとリノベの違いって?
第2章 「リノベならなんでも変えられる」はウソ
第3章 リノベは共同プロジェクト型の取引
第4章 予算もスケジュールも自分次第
第5章 リノベ会社のタイプを理解しよう
第6章 リノベ会社の選び方と「個別相談」の進み方
第7章 現地調査が始まった
第8章 理想のキッチンを手に入れるまで
第9章 契約、工事、そして完成!
第10章 わかりにくいリノベ費用を顧客目線で解説!
第11章 リノベの結果、こうなりました
第12章 引っ越しとモノとの格闘を振り返って
第13章 リノベは「親の家問題」も解決する
第14章 さあ始めよう!

 これまで、いくつかの本を出してきている人気ブロガーのちきりんであるが、今度はなんとリノベの本。不動産業に携わる者としては、これは見過ごすわけにはいかない。というわけで手にした一冊。それにしても、自宅をリノベーションしたのはいいが、その経験すら本にしてしまうところも凄いと思う。

 ちきりんの家は築20年、60uのマンション。それをリノベーションしようと思い立ったが、「どこから始めたら良いかわからない」と自分自身が困ったことから、リノベーションをする人にとって、「とても役立つ実用書」を書こうと思ったのだとか。その発想もすごいなぁと改めて思う。

 そもそもリフォームとリノベとはどう違うのか。実はこれ、不動産業者でもわかっていない人が多い。単なるリフォームなのに、リノベーションと名打っているチラシをたまに目にする。そんなそもそも論から入り、実用面にと移る。実は、リノベーションをやるにしても、「床や天井、壁を剥がしてみないと(中が)どうなっているのかわからない」という問題がある。「当初の図面と現状にズレがあるのは珍しいことではない」のであるが、やっぱりそれってどうなんだと思わざるを得ない。

 リノベーションは、実は「共同プロジェクト型取引」だと著者は説明する。「問題は起こって当たり前」という中で、「それをどう共に解決するかが重要」とする。これはその通りであり、だからその都度話し合って決めないといけない。共同プロジェクト成功の鍵はコミュニケーションだと著者は語る。

 いくつかの業者を回り、話を聞き、見積もりを出してもらう。しかしこの見積もりが曲者。リノベの費用は「どのシステムキッチンを選び、どんなオプションをつけるか、どの壁紙、どの床材をどこに使うかといった品番レベルの詳細まで決まらないと計算できない」のであり、エクセルで見積もり一覧を作って比較しても意味はない。したがって、「どの会社にも同じ額を伝える」必要がある。「予算によって見せられる世界が変わる」のである。

 結局のところ、「リノベのコストを決めているのは客であってリノベ会社ではない」のは、普通の人には知る由もない。「見積額はあくまで参考」であり、いかに相性の良いリノベ会社を見つけるかが大事になってくる。すべてお任せもいいが、自分の希望を取り入れようとすれば自らも動かないといけない。しかし、ショールームに行けば(最新の良いモノが揃っていて)費用は膨れ上がってしまう。これを「ショールームの罠」と称しているが、その通りだと思う。

 費用もそうだが、実はスケジュールの自分次第。「どのくらいかかりますか?」と聞くよりも、「○ヶ月で終わらせたい」と伝えるのだとか。その他、リノベ会社の選び方から個別相談の方法等細かく経験談が書かれている。工事に入ると予想もしていなかったことが起こり、結局のところ「元気なうちにやった方がいい」とする。ビフォーアフターの写真も豊富で、プロジェクトのすべてが網羅されていて、実例として非常に参考になるだろう。

 リノベには大きな金額がかかる者であり、安易にやるよりよく勉強してからやった方がいいだろう。そういう人には、実に実用的な一冊である・・・


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2018年06月20日

【5年後に笑う不動産−マンションは足立区に買いなさい!−】長嶋 修 読書日記931



第1章 2020年以降、不動産のあり方が激変する
第2章 これから住宅を購入して本当にいいのか?
第3章 「不動産価値」3極化の傾向とエリア別事例
第4章 住まいで人生を棒に振らないために

著者は不動産コンサルタントなのだという。果たしてどんなことをしているのか、それで食べていけているのか、実に興味深いところである。それはともかくとして、その不動産コンサルタントである著者が、「人生100年時代の不動産戦略」と称して記したのが本書である。

不動産の常識は、時代とともに変わると著者は語る。戦前の日本はほとんどが借家で、今の持ち家信仰は、戦後の政府の政策によるとする。それはそうだが、戦前の日本には住宅ローンという庶民がお金を気軽に借りられるシステムがなかっただけではないかと思う。著者の意見とは微妙に齟齬を感じるところがあちこちに出てくる。

不動産は金融商品であり、価格は株価と連動するとする。これもその通りだが、「金融商品」と考えるのは主として投資家であり、この本は終始投資家目線で語られる。その上で、気になるのはやはり過度な価格の上昇、すなわちバブルであるが、著者はバブルの兆候を4つ挙げる。
1. 不動産価格の上昇過程でメディアが「バブル」と言わなくなったら
2. 不動産業界現地を見ずに不動産を買い始めたら
3. 不動産業界がこぞってラスベガスに旅行に行き出したら
4. 不動産業者がお客に「売ってやる」みたいな態度にで始めたら
1つの見方としては面白いと思う。

向こう数十年で不動産市場は大幅に縮小するという意見はもっともだと思う。少子高齢化社会に伴う変化としては、想像しやすい。その中で、資産価値を決めるのは「立地」だとするが、これもその通りだろう。日本以外の主要先進国は住宅の供給量をコントロールしているという。これは知らなかった。木造住宅は30年で建て替えという常識は間違いという意見は、違和感を感じるところ。それは常識ではなく、「新築に住みたい」という願望だろう。

今後日本の不動産は三極化が進むとする。すなわち、
1. 価値を維持する、もしくは上がる不動産
2. なだらかに下落し続ける不動産
3. 限りなく無価値、あるいはマイナスになる不動産
であるが、確かにその通りである気がする。各自治体が定める「立地適正化計画」のことは知らなかったが、都心部ではあまり関係ないのかもしれないと思う。

タワマン節税は封じられた感があるが、それでもまだ相対的に有効であるとか、資産価値を維持するなら「割高でも駅近」とか、常に投資家目線で語られる。それはそれで投資家にとってはいいであろう。生産緑地における2022年問題は、実際どうなのか半信半疑のところがあるが、情報としては一考に値する。日本全国各地の注目エリアは、その理由とともになるほどと思わされる。

不動産投資家には、一読の価値があると思う。いろいろと微妙な意見はあるものの、テニスでいうなら壁打ちの壁としての価値はある本だと思う。「自ら考える」投資家には、参考になる一冊である・・・





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2017年09月13日

【マンションは日本人を幸せにするか】榊淳司 読書日記833



プロローグ マンションが日本人にもたらした「正と負」
第1章  マンションは日本人を幸せに導いてきたか?
第2章  マンションの黎明期
第3章  管理組合と民主主義
第4章  儲けるためのマンション
第5章  繰り返される不動産バブル
第6章  マンション、この不完全な住まい
第7章  マンションは日本人の健康を損なうか?
第8章  マンションの未来を拓くために
エピローグ 二つのマンションの奇跡

仕事柄マンションに携わる機会には事欠かないのであるが、そんなこともあってこういうタイトルの本にはついつい手が出る。著者は、長年マンションの広告・販売戦略立案に携わった経験がある住宅ジャーナリストだそうであるが、そんな方だからこその思いがいろいろと盛り込まれた本である。

中身はマンションの歴史から始まる。住宅不足解消のため「団地」が大量供給され、日本人の核家族化、少子化に一役も二役も買っているという(個人的にはどうかなと思う考えである)。以来約60年。そこには正と負の両面があるという部分には同意である。

負の部分として、「理事長による管理組合の私物化」が挙げられる。これも耳にしたことがあるが、管理組合は得てして「無責任集合体」となる危険性があり、悪意を持った人が理事長になるとなんでもできてしまう。その他、「建て替えハードルが高い」「強力な財産権の保護が裏目」といった問題を指摘する。

管理組合をきちんと機能させるには、
1. 区分所有者は管理組合の総会で懸命な判断をする
2. 理事長及び理事はマンション全体の利益を図る
3. 区分所有者は理事長及び管理会社を適切な監視下に置く
ことが必要だとする。当たり前のことだが、選挙と同様に仕組みがあっても参加者の意識が伴わないと機能しないのは言うまでもない。

その他、著者が問題として提示しているのが以下の通り。
1. 「お仕着せ4点セット(管理会社、管理規約、管理費・修繕積立金、長期修繕計画)」
2. 外国人との共存
3. 予告広告をはじめとした販売方法
4. 囲い込み、両手仲介
5. レインズを解放すべし
6. 中間省略
すべてよくわかっている立場から言えば、問題部分もあるがやむを得ないものもあり、一概に賛成しにくいところはある。

「マンションは日本人を幸せにするか」というのは大胆なタイトルだと思うが、幸せになれるかどうかはその人次第。マンションにはいい点も悪い点もあって、どちらとも言えないものである。それはそうと、マンションに関わる問題点を知るにはいい本だと思う。マンションに住んでいる、あるいは住もうとしている人には一読をお勧めしたい一冊である・・・



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2016年10月28日

【2020年マンション大崩壊】牧野知弘 読書日記722



第1章 「地方」の問題ではなくなった空き家問題
第2章 都心部で進む「マンション空き家問題」
第3章 老朽化マンションが抱える「スラム化」の恐怖
第4章 問題解決を阻む管理組合という存在
第5章 タワーマンションの将来
第6章 マンションの資産価値を考える
第7章 解決のための処方箋
第8章 不動産価値の大変革を迎えて

 著者は不動産業界に長く身を置いている方のようで、以前にも『なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか』という本を読んでおり、それなりに参考になっている。今回は「マンション」にスポットライトを当てた本であり、今の仕事柄興味を持った一冊である。

冒頭で、湯沢のリゾートマンションの現状が説明される。バブル期にもてはやされた豪華なリゾートマンションであるが、今はブームも去り、なんと1戸あたり10万円で売られていて、それでも売れないのだという。管理費滞納もあり、将来的にはエレベーターの保守管理も費用を賄えなくなり、「スラム化」する危険性があるとする。こういう「水面下の危機」は、業界関係者としても無関心ではいられない。

そして説明される「空き家問題」。地方の高齢化と人口減少による空き家急増が第一段階だとしたら、首都圏郊外の住民の高齢化と人口減少による空き家問題は第二段階だとする。首都圏郊外の空き家問題は、「非正規雇用の増加による所得減」、「未婚率の上昇」、「女性の社会進出による子育てのための職住近接化」により急速に進展してきているという。「2020年の東京オリンピックのフイナーレが空き家問題暴発の号砲」という指摘は、なかなか恐ろしい気がする。

人口の都心回帰で、都心部では空き家問題も少ないのかと思いきや、実は都心部では相当数にのぼるマンションの空き住戸が存在しているという。それは一足早くマンションの供給が始まった都心部では、その分老朽化したマンションが多いためでもあるという。特に古いワンルームマンションは、設備面でも魅力に乏しく、競争上不利なのだという。その点はよく理解できるところである。

現在は、オリンピックも控え、建設資材を含めて建設費が上昇しており、そのため分譲価格も高騰している。ただし、建設費の上昇による価格上昇はマンションの資産価値の増加を意味するものではなく、将来的には値下がりリスクも大きいとする。実際、現在はマンション価格が高騰していて、冷静に採算面を考えると、新規投資は事実上困難である。

老朽化したマンションは「スラム化」の恐怖があるという。まずマンション内は空き住戸の発見が困難であり、世帯主の高齢化や孤独死、管理費修繕積立金の滞納等がある。高齢者が認知症になるケースもあり、亡くなっても相続人不在というケースもある。利害関係もそれぞれであり、建て替えは当然として、大規模修繕ですら合意形成が困難だとする。

さらに脚光を浴びるタワーマンションも、豪華共用部分の維持管理に高額費用がかかり、また販売時には「売りやすさ」優先で修繕積立金がわざと低水準に抑えられているケースは当たり前のようにどこでも行われている。また、高層階は富裕層、低層階は「普通の」住人という形で別れているのも合意形成が難しい一因だとする。

こうした問題点は、改めて整理するには一冊の本という形は良いかもしれない。将来に向けた提案としては、マンションは本来「賃貸に適している」とする。利便性が高く、住戸の管理しやすく、オートロックなどのセキュリティなどの状況からであるが、それもまた一つの考え方である。

興味がない人からすると、興味のない問題であると思う。しかし、私のような業界関係者であれば、関心もあるだろう。そういう者にとって、問題点を整理できるという点で、大変参考になる本である。これから家を(特にマンションを)買おうと考えている人にも、一読の価値ある一冊である・・・



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2016年05月18日

【インテリア工事姉さんの“デザインリノベーション”で家賃収入UP作戦!】みなやまくみこ 読書日記658



序 章 私たち、デザインリノベで家賃収入がアップしました!
第1章 デザインリノベーションってなに?
第2章 魅せる部屋づくり〜予算別リノベーション〜
第3章 デザインリノベーションの発注とコスト
第4章 ケーススタディ デザインリノベーションで家賃アップ

著者はデザインリノベーション専門デザイナーとのこと。仕事柄、リノベーションには興味を持っており、迷わず手にした一冊。

まずは実際の施工例が紹介される。「ボロ戸建(6LDK)から2世帯アパート(2LDK✖2)へリノベーション」、「風呂なしトイレ共有のボロアパートを共有シャワールーム・家具家電付にして家賃1万円増」という二つの事例に目を惹かれる。こういうところは、芸術の域でもあり、本で読んだからといって真似できるものでもない。著者にすごく興味を持つ。

そもそもであるが、「リノベーション」とは近年になって登場した言葉である。「リフォーム」は一般的であるが、「リノベーション」と「リフォーム」とは違う。不動産業者でもこの違いがわかっていなくて、ごっちゃに使用している例も目につくが、著者は「リノベーション」とは、「デザイン性を持ってより価値を上げていく工事」であるとする。今は選ぼうと思えば数かぎりない物件がある。その中で「選ばれる」ためには、この「デザイン性」という観点は重要である。

やってはいけない勘違いリノベーションとして、「統一感のないデザイン」と「生活動線の無視」が挙げられている。また、水周りのリノベーションは配管等の作業も入り、実は費用がかかる。費用対効果という点では慎重になるべきとする。全体的にこの方は、「費用対効果」の考え方を随所で示している。大家さんとしては、ただ金をかければ良いというものではなく、そういう点でいいアドバイザーだと感じる。

リノベーションをする前に、
1. ニーズ・・・何を求められているのか?
2. コスト・・・どこまでお金をかけられるのか?
3. バリュー・・・それをやる価値があるのか?
をしっかり考えないといけないとする。
そうでないと、必要不可欠な修繕すら渋ったり、リフォーム業者の勧めに従い必要以上にお金をかけ過ぎてしまったりしてしまうという。それはその通りであろう。

予算別リノベーションも参考になったところ。予算100円から10万円くらいまでの「スポットリノベ」、予算100万円くらいまでの「バリューアップリノベーション」、100万円以上の「プランニングリノベーション」とあるのは、なかなか親切である。「スポットリノベ」では、アクセントクロス、収納、照明、インテリアシールなど、まさに工夫のしようという感がある。

最後に著者が手がけたデザインリノベーションの例が紹介されているが、これは文字だけではイージしにくいリノベーションを理解するのに役に立つ。本では白黒なのが残念なところであるが、ホームページではカラーで見られるので良しとしたい。
私のように仕事で関係する人はもちろん、すでに大家さんになっている人も知識として知っておいて損はない内容。薄い本ではあるが、大いに参考にしたい一冊である・・・


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2016年04月19日

【誰も触れない不動産投資の不都合な真実】八木剛 読書日記650



第1章 不動産投資はそんなに儲からない
第2章 銀行融資の不都合な真実
第3章 利回り・収支シミュレーションの不都合な真実
第4章 満室経営ノウハウ・賃貸仲介システムの不都合な真実
第5章 サブリース・管理サービスの不都合な真実
第6章 税金対策の不都合な真実
第7章 真実を自分の目で確かめ、高収益物件を手に入れる

仕事柄不動産投資には興味があり、いろいろな人の様々な意見に耳を傾けるようにしている。特に安易に不動投資を勧める業者には、表面的なうまい話にどれだけの人が乗って、どんな結果になっているのかは興味深いところ。残念ながら、なかなかそうした実例にはお目にかかれない。そんなこともあって、専門家の唱える「不都合な真実」には自然と興味をそそられる。

そんな思いで手に取ったこの本、最初から「不動産投資はそんなに儲からない」とカマしてくれる。と言っても、「正しく理解して実行しなければ」ということであり、それはそれで当たり前である。まずは、「負け組になる原因」を挙げている。

1. 時代の変化に合わせられない
2. 自分で調べたり考えたりしない
3. 理性ではなく感情で判断
4. 数字だけで判断してしまう
5. 何ごともプラスに見てしまう

なるほどどれもその通り。特に「数字だけで判断してしまう」というところは、見たこともなく土地勘もない物件を利回りだけで判断して投資するということで、ちょっと慣れた人ならやりそうなことである。
「負け組になる原因」という一方、「絶対儲からない物件は一割程度」ともいう。基本的なことをしっかり守ることが大事で、不動産投資をやろうとする人は、素直に聞く耳を持つべきところだろう。

相続税対策でアパート経営というのは、よくあるパターン。多少の赤字でも相続税の節税効果の方が大きく供給を増やしてしまうというのも、「真面目に」取り組んでいる大家さんには脅威だろう。周辺環境は良く確認しないといけない。
シミュレーションには修繕費用、リフォーム代を含める
月々の残金をいざという時の修繕費やローンの支払いに残しておく
などは、破綻を回避するためには是非心がけたいことである。

広告料を中抜きしている管理会社がある
多くの管理会社はコストパフォーマンスについての意識が低い
サブリースにおける30年間家賃保証と言っても、実際は2年ごとの家賃見直し条項が含まれている
さらに敷金・礼金はサブリース会社が受け取る
修繕やリフォーム工事に際しては関連会社や指定業者が請け負う
など、実行した後に初めてわかることなどもあって、このあたりもよく勉強しておかないと危険である

「不都合な真実」と題する内容に偽りはない。
投資用マンションや相続対策のアパート経営を勧める営業マンからは、絶対に聞くことのできない話である。大金をつぎ込むのであれば、それなりに勉強しないと成功は覚束ない。投資する前に是非とも学んでおくべきであろう。そのためには読んでおきたい一冊である・・・

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2015年09月13日

【貧困OLから資産6億をつかんだ「金持ち母さん」の方法】星野陽子 読書日記585



第1章 女こそ稼がなくてはいけません
第2章 「貯められない女」が資産6億円を持つまで
第3章 金持ち母さん的「お金の効用」
第4章 「しあわせな経済的自立」のための「7つのヒント」
第5章 知らないうちにお金が集まる女になる「8つの習慣」
第6章 成功を手にするまでの「4つのステップ」

著者は翻訳家兼不動産投資家。
離婚を機にお金を稼ぐことに注力し、タイトルにある通り資産6億円を持つに至るが、そこに至る考え方をまとめたのがこの本。
当初、不動産投資本の一つかと思っていたが、不動産投資に留まらず、範囲はもう少し広い。

不動産投資で資産を築いたという人はこれまでも数多いるし、そうした本も何冊も出ている。
ただ、注意しなければならないのは、「純資産(資産から負債を引いたもの)がいくらか」ということだ。
資産が6億円あっても、借入が6億円あれば純資産はゼロだ。
何かあれば、それは非常に脆い砂上の楼閣と言える。
著者も素直にそこは認めているが、この本は不動産投資に留まらないので、そこは良しとしたい。

冒頭、「お金について真剣に考え、行動している人たちはお金に困っていない」とある。
大事なのはやっぱり「実践」だろう。
前半は著者が、OLとして働き始め、ユダヤ人の元夫と結婚し、やがて離婚してお金を稼ぐ必要に迫られるまでの過程が描かれる。
普通は実家を頼ってパートなどで細々と働くという選択肢を取るような気がするが、ここで行動を起こしたことが、やっぱり本を書くほどになる理由だろう。

最初の投資物件は440万円のワンルームだったらしいが、その時までに貯めていた現金で買ったところが評価できるところだろう。
借金して買うと、投資採算は悪くなるし、何より空室時には資金流出に耐えねばならない。
そしてこのマンションを売却し、その結果、家賃と売却資金とで6年間で投資額は2倍になったという。
そして次に3億円のアパートを購入する。

不動産は3億円のアパートが2棟だけのようである。
それだけだともっと持っている人も多いだろうと思う。
わざわざ本を出すほどではないと思うが、この本の意義はそれだけではなく、プラスアルファの考え方のところだろう。

ユダヤ人の元夫からは、「ユダヤ教ではしあわせとお金の両方があって成功者」という考え方を学ぶ。
さらに、
・お金が回る仕組みを築ける否かは、頭がいい悪いではなく、知っているかいないかだけ
・男はいつも誰かと比較、競争しているからしあわせを感じられない
・自分をまず愛して満たしてしあわせになる
・同じ目的を持つ仲間と会う
などの考え方は、とても参考になる。

最後に「どん底にいても確実に上にいける4つのステップ」が紹介されている。
・目標を設定する
・計画を立てる
・現状確認をする
・「計画」と「現状」のギャップを埋める戦略を練り、行動する
何と驚くほど当たり前するものである。

ただ、これはやっぱり「やるかやらないか」だろう。
当たり前だからと言って、やらなければ何にもならない。
この本を通して感じるのは、「実践」だ。
本業の翻訳に加え、不動産賃料、印税、預金利子、株の配当、自動販売機からの売り上げ、携帯電話のアンテナ料、アフィリエイトと著者は8つの収入源を持つ。
これだけでも、「実践」のあとが伺える。

「お金があったら」と嘆く前に、自分には何ができるだろうと考えてみたいものである。
単なる不動産投資本には分類したくない一冊である・・・

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2015年09月10日

【スゴい賃貸経営のツボ 】尾浦 英香 読書日記584



第1章 満室経営はどこでやるかの見極めが決め手
第2章 お金が貯まる賃貸住宅を手に入れるポイント
第3章 こんなに簡単!利益を長〜く得る管理のコツ
第4章 賃貸住宅で節税もする賢い大家を目指す

著者のことは、昨年『満室大家さんガラガラ大家さん』を読んで知り、その後実際にお会いして簡易コンサルティングを受けるに至っている。
その著者から、「新刊が出た」とご案内をいただき、手に取った次第。

「物件選びから節税まで、大事なとこだけ集めました」と本の帯に書いてあったが、まさにその通りの内容。
「まずやるべきことは賃貸経営の目標設定」とされている。
改めて考えてみればその通り。
そこがしっかりしていないと、いわゆる「行き当たりばったり」になってしまう。
それだと、失敗しかねないと感じる。

・初心者は人口20万人くらいの都市から始める
・自宅から2時間以内で行ける場所に絞り込む
・地域の調査は自分の足で歩いて回るのが一番
不動産投資はただ買えばいいというものではなく、自ら汗をかけという教えは大事なことである。

そんな素人向けの解説は今さら感があったが、「入居者が途切れない物件の4つの条件」は参考になった。
それは「スーパー」「学校」「病院」「役所」の4つの施設。
事故物件でもすぐに埋まったという話は興味深い。

ある程度経験があれば、賃貸住宅運営に関するあれこれは確認する程度だろう。
前著『満室大家さんガラガラ大家さん』でも触れられた内容もある。
ただ、素人の方なら、「大手不動産の30年一括借り上げは要注意」など読んでおくべきところは多いだろう。
「空室は放置せず、水を流す」など、プロでもできていないところはあるかもしれない。

何事も勉強せずしてやるのは無謀。
賃貸住宅を買おうと言う人は、せめてこの本くらいは読んでおくべきだろう。
プロならこの本と同じくらいのことが書けるか、と考えてもいいかもしれない。
そういうことも含め、勉強になる一冊である・・・

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2015年07月14日

【2018年までのマンション戦略バイブル】沖有人 読書日記564



第1章 住まいの常識を変える7つのメガトレンド
第2章 人口減少時代の自宅の選び方
第3章 自宅投資としての不動産の買い方・売り方
第4章 人口減少時代の不動産投資の基本
第5章 180度変わる自己投資物件の選び方
第6章 東京に投資する理由
第7章 相続対策としてのマンション活用法
第8章 2018年までの資産組み替え戦略

著者は、不動産のコンサルティング会社の経営者。
昨年、『マンションは10年で買い替えなさい』を読んで興味を持ち、著者の経営する会社が運営するマンション評価サイト住まいサーフィンを見たりしていたが、続編とも言える本が出たということで手に取った一冊。

前著『マンションは10年で買い替えなさい』では、自宅を使った不動産投資ということで、なかなか面白い着眼点だと思っていたが、この本ではその流れを受けてさらなる指南となる。
前著以後の市場の変化を受けての解説。
住まいの常識を変える7つのトレンドがまず説明される。

@ デフレからインフレへ
A 人口増加から減少へ
B 相続対策需要の増加
C 資金の出し手の国際化
D 不動産評価方法の変化
E 新築購入リスクの増加
F 自宅購入者の情報力向上

基本的に自宅を投資対象にしてしまいましょうという考え方は、前著で明らかなので、ここでは補足説明的なものになる。
理屈は十分に理解できるが、実際に自分でやるかどうかとなると、これはその人の性格にもよると思う。
私であれば、まず考え方が合わない。

そもそも儲けるために、タイミングをみて何度も自宅を売ったり買ったりということをしたいとは思わない。
著者も説明しているが、購入時点で、
「『この物件を売りに出した場合、買い手は誰になるのか』を考え、『高く買いたいと思う人がいる物件』を選ぶ」ということであるが、自分の好みより人の好みなわけで、そこまでしたくないと思ってしまう。

また、「思い入れや地縁を捨て、あくまで資産性で物件を選ばなくてはならない」とする。
確かに、投資であれば私情は排除しないといけないだろう。
湾岸地域や城南地域、港区周辺などの人気地域を例に上げているが、子供がいれば引っ越し=転校という問題もある。
個人の好みであるが、やりたい人にはいいのではないかと思う。

やりたい人には、具体的な指南が続く。
@ 買ってはいけない時期がある
A 単価の高いエリアが底堅い
B 駅からのアクセスはいいに限る
C 大規模マンションは得をする
D タワーはランドマーク性に価値がある
E 面積は小さいほど損をする
F 適正価格以下で購入する

マンション購入指南書ではあるが、広く不動産全般の考えは、一考に値する部分も多い。
親は子供に財産を残そうと思うものだが、「郊外の一戸建てなど残されても、場所によってはかえって負担になる」なんてところは、該当する人はよく考えたほうがいいだろう。

不動産投資に興味ない人には面白くも何ともない本かもしれない。
ただ不動産投資に興味がある人なら、読んでおいて損はないと思う。
現在都内の不動産価格は高騰しており、高値掴みをしないためにも、勉強は必要である。
そんな勉強のためと考えるなら、参考になる一冊である・・・


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2015年02月18日

【なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか】牧野知弘 読書日記513



序章  ふたたび「危機」といわれる不動産業界
第1章 不動産で儲ける2つの道
第2章 不動産投資は、ギャンブルなのか?
第3章 なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか?
第4章 「サラリーマン大家さん」のススメ
第5章 「土地は裏切らない」ということを、もう一度考えよう

不動産業界に転職以来、この手の本に興味を持って手に取っている。
何冊読んでも何らかの為にはなると考えている。

まずは一般的な話。
リーマンショック前後の不動産業界の様子と当時全盛の感のあったファンドビジネス。
そして不動産会社の倒産が多かったとは言え、それは一部の話とのイントロの説明がある。

「不動産は怖い」というイメージを持つ人もいるかもしれないが、不動産は「なくなることのない資産」であり、「大きな収益を生み出す代表的な資産」でもあるとの解説。
「含み」と「運用収益」という2つの収益をもたらす。
それは「磨けば光る」ものである。

そんな不動産のもたらす収益を手に入れる方法もいろいろある。
単に「右から左」へと動かし、短期にさや取りをするもの。
この手の人は、さや取りができれば株でも不動産でもいいのだろうが、「金儲けの権化」タイプである。
そして度胸と根性で市場に参入する。
そんな“ギャンブラー”たちの一面も紹介する。

タイトルにある「町の不動産屋がつぶれない」理由は、地元での地道な活動を通し、地元資産家や富裕層の持つ不動産の管理を請け負っているからだという。
まさに「ころがし屋」とは対極にいるわけである。
さらにサラリーマンには大家さんになることを勧める。
サラリーマン大家さんになるための「賢い不動産の買い方」として以下を挙げている。

@ 人が集まる場所を買う
A 天気の悪い日に物件を見る
B 駅から近い物件を買う
C 「新築」よりも「中古」を買う
D 無理に大きな借金をしない

また、運用方法としては、
@ 賃料は下げてでもとにかくテナントを埋める
A 契約はなるべく「長期」「固定」を条件
B 既存テナントの賃料はこちらから値下げ
C リニューアルはまめに、大胆に
D 管理会社をチェック
E 借金はあわてて返さないでよい

何だか途中から何の趣旨なのかわからなくなってくるが、不動産に対する考え方あれこれとでも言うべき内容が続く。
結局のところ、著者は不動産は健全なビジネスだと言いたいのだろうし、それは同意できるところである。
そしてこれからは量的拡大より質的充実へという主張にも頷ける。
まあ、それなりに参考になる一冊である・・・

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