2009年09月05日

【ゴールデンスランバー】 伊坂幸太郎 読書日記2




「ゴールデンスランバー」というタイトルを聞いた時、咄嗟にビートルズの曲が頭に浮かんだ。
しかしまさかビートルズの曲の事だとは思っていなかった。
何か他に意味するところがあると思っていたのだ。
けれどもそれはやっぱりビートルズの曲のタイトルから取ったものであった。
ビートルズ最後のアルバムである「アビー・ロード」のB面(昔のレコードは裏表があったのだ)に収録されているメドレーの一曲だ。
好きな曲の一つでもあるからちょっと内容には期待した。

しかしながらその期待は裏切られる。
折に触れて「ゴールデンスランバー」が取り上げられるが、過ぎ去りし時を懐かしむ象徴としての意味だけでストーリー自体には何の関わりあいもなかった。
といって不満というわけではない。
結論から言えばかなりハラハラドキドキのストーリーで面白かった。

舞台は仙台市内。
若き総理大臣がパレードの途中で何者かによって暗殺される。
そして一人の容疑者として青柳雅彦が浮上する。
しかし当人はまるでその事を知らない。
そればかりか周りはすべて彼が犯人であるという前提で動いていく。
それはあまりにも巨大な陰謀に思える・・・

伊坂幸太郎の作品としては「オーデュポンの祈り」を読んだ事があるが、一見ありえなさそうなストーリーがリアルに進んでいく様子は何となく似通っている。
ケネディ大統領暗殺犯として知られるオズワルド。
しかし、現在までにその暗殺事件については様々な事実が判明し、むしろオズワルドは犯人ではなかったという説が有力である。
だがオズワルドは逮捕直後に殺害され、真相は今もって大統領令で2039年まで封印されている。

主人公の青柳雅彦も「オズワルドにされる」という恐怖から自首もできない。
絶対絶命の状況下で一体どういう結末になるのか読む方も見当がつかない。
次々とありえない展開が連続し、最後まで一気に読ませてくれる。
自分が同じ立場だったらどう行動するだろうか。
しかも警察でさえ頼りにならないとしたら・・・
そんな想像をしながら読むと面白い。

納得の直木賞受賞作品である・・・





posted by HH at 14:27| Comment(0) | 小説/スリラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする