2017年02月01日

【師弟】野村克也/宮本慎也 読書日記755



第1章 プロセス重視
第2章 頭脳は無限
第3章 鈍感は最大の罪
第4章 適材適所
第5章 弱者の兵法
第6章 組織
第7章 人心掌握術
第8章 一流とは

野村監督の本の面白さは、単に野球の裏話的なところではなく、ビジネスの世界などにも十分通じる学びが多いところだと思っている。そんな監督本であるが、今回は教え子の元ヤクルトの宮本選手とのコラボとなっている。またこれも面白そうだと手にした次第。

野村野球とは、プロセス重視の野球だとする。かなり含蓄のある言葉である。プロ野球で優勝するには二つの条件があるそうである。
1. 手段を選ばずに選手をかき集め絶対的な強さを持つ
2. 優勝にふさわしい心を持ったチームにする
野村監督は当然後者の方であったが、「心を持ったチーム」という考え方が深い。

プロ野球の監督は、「個人の成績」と「チームの勝利」という一見矛盾するものを言葉によって結びつけるのが大きな仕事だという。チームが負けても個人の成績がよければ、年棒が上がるわけだし、それは実は会社にも当てはまらなくもない。監督の教養の深さではあるが、言葉を覚えれば覚えるほど、思考の範囲は広がっていくとして含蓄のある言葉がいくつも出てくる。
「生きるための目的を持っている人はほとんどどんな生き方にも耐えられる」(ニーチェ)
「無知を自覚することから進歩が始まる」
密かにメモしたい言葉である。

プロセス重視ということについて。
・プロセスがあるからこそ、結果が出たときに本当の力になる
・プロセスなき成功は失敗よりも恐ろしい
とかくビジネスでは結果がすべてという考えに支配されがち。それはその通りだと思うが、その結果を出すためにこそプロセスにこだわるというのも真実だと思う。

 さらに深みのある言葉が続く。
・無欲の勝利とは、欲を捨てたわけではなく、欲を超越したからこその精神状態
・人の値打ちは失敗するかしないかではなく、失敗から立ち上がれるかどうかで決まる
また、「とは理論」というのも興味深い。「野球とは」「守備とは」「攻撃とは」と考えていく。「哲学とは『考える』こと、さらに『考える』ということについて考えることである」というソクラテスの言葉が紹介されているが、このあたりは個人的に気に入っている。

宮本という選手は、派手なイメージはないが、脇役として一流に徹した選手だったようである。2000本安打を達成しているが、2000本安打と同時に400塁打を達成しているのは野村監督をはじめ15人いるらしいが、400犠打を達成しているのは宮本氏しかいないそうである。そんな一流の脇役が、「セールスポイントを1つ以上持つ」ことが「オール3」よりも大事だという。「オール3」人間だった自分には痛いほどよくわかる。

・習慣は才能より強し
・言い訳は進歩の敵
野球以外の世界でも、もちろんビジネスでも当てはまる言葉だと思う。「プロ野球で生き残るための15か条」が紹介されているが、それらはみんなプロ野球以外でも通用する言葉だと思う。

・人と同じことをやっていては人並みにしかなれない
・目的意識と目標意識を持つことが最も重要
・常に自信を持って臨む
・プロ意識を持ち続ける
・人真似(模倣)にどれだけ自分のαをつけられるか
・戦いは理を持って戦うことを原則とする
・状況の変化に対し、鋭い観察力、対応力を持っていること
・セールスポイントを1つ以上持っていること
・自己限定人間は生き残れない
・常に最悪を想定して対策を練り備えておく
・仕事が楽しい、野球が好きだの感覚を持て
・敗戦や失敗から教訓を学ぶこと
・反省とは未来に向けてやるもの
・イマジネーションのないところにクリエーション(想像力)は生まれない

 やっぱり今回も野村監督の本に裏切られることはなかった。教え子である宮本氏の考え方にも興味を持った。今後どこかの監督になられたら注目したいと思う。いつもながら学びの多い一冊である・・・



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2013年04月04日

【考える野球】野村克也 読書日記323



第1章 考える力が一流を生む
第2章 野村野球の原点にあるもの
第3章 リーダーとなる者の考え方
第4章 一流のチームを作る難しさ
第5章 プロ野球を考える

 目につくと手に取ってしまう野村監督の本。一通り読んでみると、大概がもう既にどこかの本で読んだ話がほとんど。まぁこれだけたくさん書いていれば、自ずとそうなるだろう。かと言って読んでも無駄かと言うとそうでもない。何度聞いてもその都度味わえる。野村監督の本には、そんな「おじいちゃんの昔話」のような味わいがある。

 タイトルにある通り、野球で重要な事は何よりも自ら“考える”事。「プロで通用するかしないかの分かれ道は、技術以外のところにある」と監督は断言する。そう言えば毎年多くの選手がドラフトで指名されてプロになる。しかし、ドラフト1位がすべてレギュラーとして活躍するかと言うとそうではない。( 「ドラフト1位九人の光と影」
その差は、「持って生まれた天賦の才」か「考える力、感じる力」だと言う。

 例えばダルビッシュのような天賦の才に恵まれた投手は、黙っていても勝てるが、斉藤祐樹のような技巧派投手は、一球一球目的を持った配球が必要になるのだという。有能なキャッチャーがそれを助ける。監督は自分なら2桁勝たせ、新人王も取らせる事ができると断言する。

 南海時代、パッとしなかった皆川投手に今で言うカットボールを覚えさせて31勝させた話を筆頭に、シダックス時代には武田(日本ハム)に内角を攻める変化球を覚えさせ、ヤクルト時代には高津投手に投手にシンカーを覚えさせた話が続く。はっきり言って自慢話なのであるが、これが心地良く読めてしまう。稲尾の癖を研究したエピソードはもうお馴染みだが、癖を探したり相手投手の配球を研究したりという姿は、何度聞いても頭が下がる思いがする。

 巻末に団野村との対談形式の話が載っている。団野村とは義理の親子だとは知らなかったが、それぞれの立場から日米の野球に対する考え方を披露してくれていて、これはちょっと変わったおまけで嬉しく思う。野球好きならそれだけでも読んで面白いと思うし、ビジネスマンなら監督の「考える」姿勢は多くの示唆に富む。同じ話でも飽きが来ず、何度でも聞きたいと思ってしまう所以である。

 仕事のヒントにもしたい野村監督本なのである・・・

     
   
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2012年03月31日

【私が野球から学んだ人生で最も大切な101のこと】野村克也 読書日記232


    
≪目次≫
第1章 超二流への道―「プロフェッショナル論」確実に成長し、社会で生き延びるために
第2章 人を育てる―「リーダー論」人をつくり、素質を見つけ、能力を活かす
第3章 上昇し続ける組織づくり―「チーム・組織論」組織が組織として機能するために
第4章 勝利の法則―「勝負論」弱者でも勝てる道、生き残る道は必ずある
第5章 さらなる飛躍を求めて―「人生論」人生は自己との戦いである

もうずいぶんたくさん読んだが、まだまだ出る野村監督の本。
形式はいろいろだが、そのエッセンスはみな同じだ。
この本ではそのエッセンスを全部で101のテーマにまとめている。

「進むときは上を向いて進め。
暮らすときは下を向いて暮らせ。
過去を思い出して笑え。」
野村監督も好きな言葉だと言うが、なるほどと思う。

「そつのない平均点選手になるよりも、自分にしかないものに磨きをかけろ」
平均点選手な自分としては、胸に痛い言葉だ。
でも平均点しか取れない人だっているのだ。

「短所が長所を食いつぶす だから短所を鍛え、克服せよ」
逆に短所には目をつぶってひたすら長所を伸ばせという人もいるし、このあたりは難しい。
「相手の性格や人柄を見て、その人間に最もふさわしい言葉をかけなければ、人は変わらないし、動かない」
これは十分に思い当たる。
だがなかなか難しい。

「ここぞというときに褒めれば、その相手に深い感動ややりがいを与えられる」
「結果論で叱ってはいけない。結果に至るプロセスこそ見るべきである」
「よい結果はよいプロセスから生まれる」
「人間的成長がなければ、技術的進歩もない」
野球ばかりではなく、誰にでも普遍的にあてはまりそうな事がたくさん書かれていて、この本も重みがある。

もう何冊も本を書いているからだろう、あちこちで重複する話も多い。
自慢話に受取れる話も多いし、もしも野村監督の本を読んで心良く感じない人がいるとしたら、こうした自慢の部分だろうと思う。
人の自慢に眉をひそめるのは、謙譲を重んじる我々日本人的な精神なのかもしれないが、自慢してもらわないとその凄さがわからないし、したがって勉強にならない。
そこは素直に受取りたいところだ。

この本で知ったエピソードとして、個人的に感銘を受けたのは「一日3試合」だ。
野村監督は現役時代、試合前にシミュレーションで一試合、実際の試合と、試合後の振り返りでもう一試合と一日3試合をこなしていたという。
プロだからと言ってしまえばそれまでだが、自分は自分の仕事でそれだけの事をしているだろうか、と自問してみれば、学ぶところは多い。

セイバーメトリクス理論など関係なく、何度も選手を再生させてきた野村監督。
やっぱりそれだけのものは持っているのである。
何冊読んでも必ず得るモノはある。
これからも読み続けていきたい監督本である。


  
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2011年02月24日

【野村の実践『論語』】野村克也 読書日記138

野村の実践「論語」 [単行本] / 野村 克也 (著); 小学館 (刊)

≪目次≫
まえがき 「阪神の謎」
第1章 絶え間なき自己研鑽が人間力を育てていく
第2章 リーダーとしての力を身につけよう
第3章 自分を導く本物の師の見つけ方
第4章 礼節を知り、徳を磨く生き方を学ぼう
第5章 逆境にも負けない強い組織をつくる知恵
あとがきに代えて 「孔子の生涯」
     
次から次へと読んでみたくなるのが野村監督の著書。
今回は、野村語録は「論語」と重なる部分が多い、と言う事で論語と関連させての野村監督の考えが述べられている。

野村監督も現役を引退後、ヤクルトの監督を引き受けるまで9年間解説者をやっている。
その間、とにかくたくさん本を読んだという。
それがヤクルトでの監督としての指導に生きたというが、それは著作にも表れているようである。論語と対比させての一つ一つの言葉とエピソードには頷くばかりである。

野村の言葉:「経験を基礎に歳を重ねてこそ、人はより高い境地へとのぼっていける」
論語:「子曰く、吾、十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従いて、矩を踰えず」
選手時代に悩んだり苦悩したりする事がなかった選手、創意工夫せず頭を使わずにプレーしてきた選手はコーチになってもロクな指導ができないという。
論語の言葉とピタリ一致というわけではないが、同じ内容であることには違いない。

以下心に残った言葉を列挙する。
「人間は他人の評価で生きている」
「何かを成し遂げようと思う人は、進むべき道を楽しむ境地に至らなければ成功もない」
「一流の人物になれるかどうかは、基本的な目的意識もっているか否かによって決まっていく」
「敵は己の中にある」
「失敗を活かせる者はそれを放置する者に勝る」

これ以外にも一つ一つが示唆に富む言葉である。
無理に論語と関わらせなくてもいいようにも思う。
「人生とは幸福への努力である」というトルストイの言葉が紹介されているが、努力の人野村監督らしい言葉が並んでいる。

そうした言葉もさることながら、具体的な選手たちのエピソードも興味深い。
楽天の山崎、田中など現役の選手から、小早川、古田ら往年の選手まで、それぞれのエピソードも野村本の重要なエッセンスである。
普段はうかがい知れない選手たちの顔も興味深い一つである。

何冊読んでも飽きないし、為になる。
これからも出るたびに読みたい著者の一人である・・・




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2010年06月23日

【野村の革命】野村克也 読書日記80


野村の革命

野村の革命

  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: ベストセラーズ
  • 発売日: 2009/11/27
  • メディア: 単行本




序章 悲願のクライマックスシリーズ
第1章 無視から始まった野球人生
第2章 敵を知り、己を知る
第3章 言葉は剣より鋭し
第4章 知略の激突
第5章 プロの絶対条件
第6章 野村の革命
第7章 苦難を乗り越えることが、人間の真価である―特別対論 野村克也VS桑田真澄    
   
元楽天イーグルスの野村監督の最新刊である。
もう何冊本を出しているのだろう。
プロ野球選手が本を書くのは珍しい事ではない。
すでに何人もの選手が本を出している。
しかし、それはたいてい1冊かそこらだ。
大概それで書き尽してしまうのだろう。

そんな中で、数多くの著書がある野村監督は異色だ。
いろいろと勉強したと本人も述べているが、そうした勉強の下地があるからこそ、これだけの本を出しているのだろう。
まあ欠点を言えば、あちこちで同じエピソードが出てくるし、また自慢話も多い。
そういうものに反感を持つ人がいても不思議ではない。

ただ、全体として語られている事はやっぱりどこか頷く事が多いし、自慢めいていてもそれをしなければ語る事のできないエピソードもあるから、謙遜されると我々には知ることのできずに終わる話も出てきてしまう事になる。
個人的にそれらの事は読んでいてまったく気にならない。

数々のエピソードとともに、現役・元様々な有名選手が登場する。
楽天の山崎・田中をはじめとした現役選手、王・長嶋・江夏・森・清原・大魔神佐々木ら往年の名選手、川上・鶴岡らの名監督など。
現役27年、監督25年のキャリアの成せる業である。

野村監督はやみくもに練習だけして成功した選手ではない。
常に勉強し、観察し、考え、そして練習してきた人である。
捕手というポジションがいかに奥が深いかがわかる。
データを分析し、打者を観察し、投手のその日の調子を考え、配球を考える。
「根拠のないサインは出すな」という信条にそれは繋がる。

基本的に野球の話なのであるが、それ以外にも通じる考え方はいたるところに入っている。
最後の桑田との対談も興味深い。
野球ファンであったら尚更、なくても読んでおきたい一冊である。


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2010年03月20日

【弱者の兵法】野村克也 読書日記49


弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論

弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論

  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2009/07/24
  • メディア: 単行本




序 章  日本の野球はベースボールを超えた
第一章  プロフェッショナルとは何か?
第二章  全知全能を懸けてこそ弱者は強者になる
第三章  指導者の役割とは何か?
第四章  「無形の力」が弱者を勝利に導く
第五章  人間教育が真に強い組織の礎を成す
あとがき 真のワールドシリーズ実現に向けて

元楽天イーグルス野村克也監督の一冊である。
もう何冊も読んでいるが、ついつい手に取ってしまう理由はといえば、大好きな野球の話がたくさん出てくる事もあるが、やっぱりつい頷いてしまう事が多いからだろう。
現役時代からいつ首になるかという不安の中から必死に努力して身につけてきた「考える」という習慣。
それが野村監督のベースになっている。

その結果、自身パリーグで何度も首位打者となり、プレイングマネージャーとして活躍し、監督としても成功している。
テレビの解説者時代も本を読み勉強を続けたがゆえに、人を唸らせる話ができる。
自慢話もけっこうあるのだが、あまりそれが嫌味に聞えない。
そんなところが監督本の魅力だろうか。

今回も「弱者の兵法」とタイトルがついているが、監督の人生はまさに弱者の立場の人生。
華やかな脚光を浴びるセ・リーグのONに比べ、成績は劣らないものの地味であった自身の歴史がそれを語っている。
考える事によって生まれた「無形の力」。
それがあちこちで花を咲かせる話がおもしろい。

メジャーリーグ華やかなりし現在であるが、今はメジャーも球団数が圧倒的に増え、以前ほどレベルは高くないという。
むしろ日本の野球は相当レベルアップしているそうである。
しかし、韓国もまた然り。
そこにはデータを重視し考える野球に取り組んでいるからだという。

指導者は、選手は一体どうしたらよいのか、どうすべきなのか。
監督が常々説く「無形の力」の活かし方が語られていく。
技術よりもまず人間形成。
野球に詳しくなくても話はわかりやすい。
あちこちで重複する話もあるが、それはそれで面白い。
これからも読み続けたい監督本である・・・
     


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2009年09月19日

【ああ監督】 野村克也 読書日記7


     
東北楽天イーグルス野村監督の著作を続けて読んだ。
タイトルにもある通り、これは「監督とは」を中心とした野村監督の考えをまとめたものである。

監督は、現役生活27年、監督生活24年という球界でも驚異的な期間、その地位を維持している。日本ではほとんど話題にならないが、メジャーリーグ関係者からは絶賛されたという。
(人気一辺倒の日本の球界にちょっと苦言を呈している−「これが長島だったら大変な騒ぎだっただろう」と・・・)
確かにそうだろう。

最近では野村監督といえば「ボヤキ」が人気であるが、あれもいろいろと考えての事らしい。楽天イーグルスのホームページではそんな監督のボヤキをわざわざ専用ページを作って紹介している。
「東北楽天イーグルス」
過去に遡って読んでみてもおもしろい。

そんな野村監督が、過去の名監督を紹介し監督として必要な要件を論じていく。
そして今は本当に人材がいないと嘆く。
野村監督にかかればジャイアンツの原監督も西武の渡辺監督もまだまだだという。
(もっとも「期待するから苦言を呈する」という野村監督の流儀からすれば、名前も上がらない他の監督よりはいいのだろう)
そんな野村監督は中日落合監督からすると「唯一野球の話ができる相手」らしい。

そんな監督論を聞いていると、いつのまにか「監督」に限らず人を指導する立場のものであれば誰にでも当てはまるようのではないかと思えてくる。
特に昨今は若者も精神的に脆くなっており、叱ればすぐにシュンとなってしまう事から「褒めて伸ばす」流儀が主流になっている。
原監督や渡辺監督がそうらしい。
しかし、叱る事も大切だと野村監督は説く。

例によって監督自身の長い経験からのエピソードを交えて紹介されるそれらのエッセンスは読み物としても面白い。
残念ながら楽天のフロントは野村監督を今期限りと考えているようである。
ただ現在3位でクライマックスシリーズの出場にあと一歩のところまで来ているだけに、このまま続けてもらいたいと思わずにはいられない。
チームが出来た時には12球団中の最弱チームがここまできたのだから、その手腕はやはり一流である。

監督の歩んできた人生。
数々のエピソードと珠玉のエッセンス。
こんな本を読んでしまうと楽天を応援したくなる。
勝ってそして来年以降も監督を続けてほしいと願いたくなる一冊である・・・





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2009年09月18日

【野村主義】 野村克也 読書日記6


   
   
著者は東北楽天イーグルスの野村監督である。
実は野村監督の本はもう何冊も読んでいる。
野球人の本としてみると意外なほど(と言ったら失礼か)面白いからである。

それもそのはず、野村監督は現役引退後、9年間野球評論家として過ごしていた。
その間に多くの著書を読み、いかにして言葉で伝えるかを学んだという。
現役時代から「精神論」全盛のスポーツ界からの脱却を図り、「シンキングベースボール」の礎を作った人であるから尚更なのかも知れない。

「野球選手は引退してからの人生の方が遥かに長い。だから必要なのはまず人としての人間力だ」と主張する監督は、それゆえに単なる野球論だけに終始しない。
野球の経験から導き出されたエッセンスは、一般人にとっても大いに役立つものである。

監督がまだ現役だった頃の事を覚えている。
パリーグという地味なリーグの南海というこれも東京では地味な球団にて、一人三冠王になるなど気を吐いていた。
監督兼選手としても活躍していた。
しかし、その存在感は一言で言えば「暗い」。
本人も王、長島のONがひまわりだとすると自分は月見草だと評していたが、それも言いえて妙である。

ヤクルトの監督になって何回も優勝しても、そのイメージは変わらなかったし阪神の監督をやってずっと最下位だった時も、その暗いイメージから好きにはなれなかった。
しかし、シダックスそして楽天と、ずっと監督として迎えられてきたのには、外見からくるイメージとは違うそれなりの理由があったのである。
それが数々の著作を読めばわかるのである。

野球のエピソードものとしての面白さもあるし、にじみ出る人生のエッセンスもある。
あちこちの本で何度も出てくるエピソードもあり、数を読むと重複感はあるのだが、それでも読まずにはいられない。
「評価は他人が下したものこそ正しい」
何度も出てくるこの言葉は自分でもいつの間にか意識している良い言葉だと思う。
そんな言葉の詰まった一冊である・・・




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